第98話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
晩餐会が終わったその後、エステル達は自分達の部屋に戻った後、一端ジンと別れ、ヒルダが待っている侍女の控室に行く途中、以外な人物達に出くわした。
〜グランセル城内・廊下〜
「おや、君たちは……」
「あ……!」
「リシャール大佐……」
自分達に近付いて来た人物――リシャールと傍に着き従っているカノーネを見たエステルとヨシュアは表情が強張った。
「フフ……。エステル君とヨシュア君か。こうして面と向かって話すのは初めてではないかな?」
「え……」
「最後に言葉を交わしたのはダルモア市長逮捕の後でしたね。でも、大佐が僕たちのことを覚えているとは思いませんでした。」
リシャールが自分達の事を覚えている事に2人は驚いた。
「交わした言葉は少なかったが君たちは非常に印象的だったからね。気になって調べてみたら驚いたよ。まさか、カシウス大佐のお子さんたちだったとはね……」
「そ、その事も知ってたんだ」
自分がカシウスの子供である事を知っているリシャールにエステルは驚いた。
「はは、伊達に情報部を名乗っているつもりはないよ。……カシウスさんには彼が軍にいた時にお世話になった。それこそ……言葉では言い表せないほどね。」
「………………………………」
エステルはリシャールが言っている事が真実かどうか、見極めようと真剣な表情で見ていた。
「どうだろう、これから少し話に付き合ってくれないだろうか?君たちとは、前から一度、個人的に話をしてみたかったのだ」
「ええっ!?」
「………………………………」
リシャールの申し出にエステルは驚き、ヨシュアは警戒した。
「あ、あの、大佐殿……。これから公爵閣下との打ち合わせがあるのでは?」
また、傍にいたカノーネも驚き、慌てて尋ねた。
「少しくらい遅れても構わんよ。そうだな、話すのだったら奥の談話室を借りるとしようか。アルコール抜きのカクテルでも振舞わせてもらうよ。」
「そ、それでしたら私がお作りしますわ!」
「いや、それには及ばない。君は公爵閣下の所に行って私が遅れる旨を伝えてくれたまえ。」
「りょ、了解しました……」
リシャールの伝言にしぶしぶ納得したカノーネはエステル達を睨んだ。
「……………………(ギロリ)」
(ゾクッ……)
カノーネに睨まれたエステルは冷や汗をかいた。
「……それでは失礼しますわ。」
そしてカノーネはどこかに去った。
「さてと、私たちも談話室に向かうとしようか。それでは付いてきたまえ。」
またリシャールも談話室に向かって、歩きはじめた。
「あ……。(ね
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ