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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第98話
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ルが去った後、自分に尋ねて来たエステルにヨシュアは呆れた。

「だ、だってあんな風に父さんの事を話すなんて……。なんていうか……イメージと違ったっていうか。」

「……確かに。ただの悪人ではなさそうだね。でも、それとは別に彼が何かを企んでいるのも確かだ。父さんの事は、この際分けて考えなくちゃいけないと思うよ。」

「うん……それはそうなんだけど……」

ヨシュアの忠告をエステルは腑に落ちない様子で頷いた。

「イヤな言い方をするけど……。僕たちに見せた親しさだって何かの目的があるのかもしれない。彼みたいな情報将校にとって僕たちみたいな子供を(たぶら)かすのは朝飯前だろうからね。」

「さ、さすがにそれは言いすぎなんじゃないの?」

「うん……そうだね。疑うのは僕の役割だ。君は、自分の直感を信じていた方がいいと思う。」

「え……」

ヨシュアの言葉にエステルは驚いた。

「ただ、あらゆる可能性に備えて油断だけはしないで欲しいんだ。遊撃士の仕事というのは……たぶんそういうものだと思うから。」

「………………………………。うん、わかった。ちゃんと心に留めておくわ。」

「……ありがとう、エステル。」

「や〜ねえ。何でヨシュアが礼を言うのよ。それよりも、さっさとヒルダさんの所に行きましょ。たぶん、待ちくたびれてるわ。」

「そうだね……。メイドさんたちの詰所に行こうか。」



そしてエステル達はヒルダに会いに、侍女の詰所に向かった……………
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