第97話
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礼ですが、どこまで現実性のあるお話なのでしょう?」
デュナンの演説を聞いたクラウスは自分自身を嘆いたが、メイベルは反論した。
「む……」
メイベルの反論にデュナンは不満そうな表情をした。
「ふむ、メイベル市長。閣下のお言葉が信用できないと……そう仰られるか?」
リシャールはメイベルに尋ねた。
「そ、そうは言ってません!ただ、市長には選挙があるように王位継承にもしかるべき手続があるのではないかという事です。」
「そうですな……」
「できれば、陛下から直接、今の話をお伺いしたいものです。」
メイベルの主張にコリンズやマードックは頷いた。
「う、うーむ……」
市長達の様子にデュナンはたじろいだ。
「皆さんの動揺も理解できます。ですが、どうか冷静になって今の話を受け止めていただきたい。先ほど申し上げたように生誕祭には陛下ご自身の口から発表されることになるでしょう。真偽はその時に確かめれば済むことではありませんか?」
「そ、それは……」
「………………」
リシャールの言葉を聞き、マードックやコリンズは何も言えなくなった。
「問題なのは、この件が発表された時に一般市民にどう影響を与えるかです。いたずらな混乱を避けるためにも各地の責任者である皆さんに前もって事を伝えておきたい……。公爵閣下はそう判断なさったのです。」
「ゴホン……。うむ、まあそういう事だな。」
リシャールの説明に同意するようにデュナンは咳払いをして頷いた。
「そして、陛下の退位ともなれば事態はリベール国内には留まりません。大陸諸国の目、とりわけ北の脅威たるエレボニアや同盟国たるメンフィルの反応も気がかりでしょう。まさに、ここにいる我々が新たなる国王陛下を盛り立てながら一致団結をしなくてはならない……。そんな時期が迫っているのです。」
(な、何かもっともらしい事を言ってるんですけど……)
(うん……。大したアジテーターだね。)
リシャールの演説をエステルは怪しいものを見るよう表情で小声でヨシュアに言い、ヨシュアはエステルの言葉に静かに頷いた。
「正式決定は、生誕祭の時に陛下から直接伺うとして……。心の準備をしておくようにと。つまり、そういう事ですか?」
「フフ……。理解していただいて幸いです。」
マードックの確認にリシャールは表情を笑みに変えて答えた。
「うーむ……。確かにそういう事になったらわしらも忙しくなりそうじゃな。」
「そうですわね……。市民へのアナウンスもありますし。」
クラウスやメイベルが納得しかけた時
「……1つお伺いしたい。」
コリンズが尋ねた。
「公爵閣下に
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