第97話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
その後、豪華な料理が次々と運ばれ、エステル達は滅多に食べれない料理を楽しんだ。
〜グランセル城内・1階広間〜
「はっはっは、いや、愉快愉快。どうかね、メイベル市長。王城のグランシェフの腕前は?ボースの『アンテローゼ』にも負けずとも劣らずの味ではないか?」
「ええ、素晴らしい腕前ですわ。ワインとの相性も完璧ですし、思わず引き抜きたくなりますわね。」
「はっはっは、そなたが言うとあながち冗談には聞こえないな。どうだ、ジンとやら。東方人のそなたの口には合うかな?」
メイベルの賛辞にいい気分でいたデュナンはジンに尋ねた。
「いや、大変結構ですな。不調法な自分の舌にも判る洗練された深みと味わい……。リベール料理の真髄を味わっているような心境です。」
「うんうん、そうだろう。どうだ、若き遊撃士たちよ。こんな豪勢な料理は今まで食べたことがなかろう?」
感心しているジンを見て、デュナンは頷いた後、今度はエステル達に尋ねた。
「うーん、確かにメチャメチャ美味しいです。招待してくれた人はともかく、料理だけはホンモノかも……」
「はっはっは。そうだろう、そうだろう……。……ん?」
エステルは笑顔で料理を褒めたが、サラッと遠回しにデュナンを悪く言い、デュナンはエステルの賛辞に弱冠引っ掛かった。
「ほ、本当に素晴らしい料理ですね。それに今まで、こういう正式な席に呼ばれる機会が無かったのでとても勉強になります。招待してくださって本当にありがとうございました。」
デュナンの様子を見て、ヨシュアは慌てて取り繕った。
「はっはっは。なかなか殊勝でよろしい。しかし、執事から言われてようやく思い出したのだが……。そなた達とは、ルーアンの事件で一度顔を合わせていたのだな。何とも奇妙な縁があったものだ。」
「は、はあ……そーですね。(執事さんから言われるまで思い出せなかったわけね……あの様子じゃあ、リウイの事も覚えてなさそうね………)」
エステルは自分の事をすっかり忘れているデュナンに内心呆れた。
「さあ、今夜は無礼講だ!料理も酒もたっぷりあるから、遠慮なく追加を申し出るがいい!」
「公爵閣下……。その前に、例の話を済ませてしまっては如何ですか?」
デュナンが張り切っている所をリシャールが遠慮気味に申し出た。
「……おお!そうだ、その話があったか。実は、王国を代表する諸君らに集まってもらったのは他でもない……。この晩餐会の席を借りてある重大な発表をしたかったのだ。」
リシャールの申し出にデュナンはエステル達や招待客達にある事を申し出た。
「ほう、重大な発表……」
「それは一体……どのようなお話でしょうか?」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ