第96話
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らも見所がある娘だった。」
(その師達って……)
(うん、父さんと闇の聖女さんのことだね。)
コンコン
その時、部屋がノックされてシアが入ってきた。
「失礼します。晩餐会の支度が整いました。ご案内してもよろしいでしょうか?」
「おお、待ちくたびれちまったぜ。さ〜てと、それじゃあタダメシにありつくとするかね。」
「うん、さすがに試合の後だからすっごくお腹が空いてきちゃった。さ〜、食べまくるわよ〜♪」
「あの、2人とも……。一応、テーブルマナーなんかも忘れない方がいいと思うけど……」
ジンとエステルの様子にヨシュアは内心冷や汗を垂らして、苦笑しながら言った。そしてエステル達はシアの案内によって、晩餐会が開催される広間に向かった。
〜グランセル城内・1階広間〜
「えっと……。これって夕食会なのよね?どうして食器だけが並んで肝心の料理がないの?ナイフとフォークがいっぱい並べられてるし……」
目の前の光景に首を傾げたエステルはヨシュアに尋ねた。
「正式なディナーだからね。前菜から順番に色々な料理が出てくるんだ。あと、ナイフとフォークは外側から使っていくんだよ。」
「うぐっ……テーブルマナーってやつね。ちょっと緊張してきちゃった。」
ヨシュアの説明を聞き、エステルは唸った後、緊張して溜息を吐いた。
「うふふ……。あまり気にする事ありませんわ。料理というものは美味しく頂くのが一番ですから。マナーや礼儀作法は二の次ですわ。」
「そうじゃそうじゃ。聞けば、君たち2人は出席しておる者たち全員と知り合いだそうじゃないか。固くなる必要はなかろう。」
緊張しているエステルに招待客であるメイベルやクラウスは場を和ませた。
「あ、それもそっか♪」
「それで納得しないでよ……」
あっさり納得したエステルにヨシュアは呆れて、溜息を吐いた。
「そういえば、そちらの方はナイフとフォークでよろしいんですの?東方の方々は、お箸の方が得意だと聞きましたけど。」
「ほう、よくご存じですな。ですが、郷に入っては郷に従えとも言いますからな。不調法ながらナイフとフォークを使わせてもらいますよ。」
「まあ……ご立派ですわ。さすが武術大会で優勝された達人の言葉は違いますわねぇ。」
「はっはっは。いやあ、それほどでも。」
(つくづく美人に弱いのねぇ……)
(まあ、女好きって感じじゃないと思うけど……)
メイベルに感心され、照れているジンを見てエステルとヨシュアは苦笑した。
「それにしても……公爵閣下はずいぶん遅いですな。いったい何をしてるんでしょう?」
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