1部分:第一章
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読もうとしているところだった。その横にはポテトチップとコーラをスタンバイさせている。
「読めばわかるとか言って」
「読めばって。そういえばよ」
「どうしたの?」
「その作家の本俺結構持ってるぜ」
こう言って来た兄だった。
「結構な」
「持ってるの」
「ああ、ちょっと待ってろよ」
次に彼はこう言ってその場から消えた。そうして暫くして数冊の本を持って来た。見ればそれは。
「この作家だろ?」
「ええ、そうだけれど」
作家名は木林勉という。何かしらおどろおどろしいタイトルの本ばかりだ。しかもどれもこれもが予言の本だからかなりのものだ。
「こいつな、馬鹿なんだぜ」
「馬鹿って?」
「読めばわかるよ」
妹に対して言う兄だった。
「馬鹿じゃなきゃ電波だな」
「電波なの」
「とにかくここにある本全部読めばわかるからな。斜め読みでもいいからな」
「斜め読みでもいいの」
「ああ。どっちにしろ中身もあまりないからな」
少なくともファンの物言いではなかった。見れば持っているその本はどれもかなり乱れている。どうやら大事に扱うというつもりもないらしい。
「読んでみなって」
「わかったわ。それじゃあ」
兄の言葉に従い実際にその本を全部読んでみた。その間彼女は笑い転げることしきりだった。夜遅くまで腹筋を鍛えた後で学校に行った。そして昨日と同じく落ち込んでいる実のところに行ったのだった。
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