第95話
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………そこそこ腕はありそうだね。)
(ミュラー……か。どこかで聞いた名だな。)
(ええ。………どこの家の方か、ちょっと思い出せないですね………エレボニア将校である事からして、恐らくエレボニアの有名な軍人の家系だと思うのですが………)
一方エステルとヨシュア、リフィアとプリネはお互いミュラーの正体を相談していた。ジンやエヴリーヌはミュラーの強さを感じた。
「……お初にお目にかかる。自分の名前はミュラー。先日、エレボニア大使館の駐在武官として赴任した者だ。そこのお調子者とはまあ、昔からの知り合いでな。」
「いわゆる幼なじみというヤツでね。フフ、いつも厳めしい顔だがこれで可愛いところがあるのだよ。」
「い・い・か・ら・黙・れ!」
「ハイ……」
ミュラーの自己紹介を茶化したオリビエだったが、ミュラーの睨みと怒りの言葉にしゅんとして黙った。そしてミュラーは表情を戻して、咳払いをした後、話を続けた。
「コホン、失礼した。どうやら、このお調子者が迷惑をかけてしまったようだな。エレボニア大使館を代表してお詫びする。」
「あ、ううん……迷惑ってほどじゃないけど。試合じゃ、オリビエの銃と魔法にずいぶん助けられちゃったし……」
「あの、オリビエさん。武術大会に出ていたことを大使館に隠していたんですか?」
「ハッハッハッ。別に隠してたわけじゃないさ。ただ、言わなかっただけだよ。」
「そういうのを隠していたと言うのだッ!」
表情を戻したミュラーだったが、オリビエの説明を聞き、また怒りが爆発した。
「ま、まあいい……。過ぎたことを言っても仕方ない。とっとと大使館に戻るぞ。」
「へ……。ちょ、ちょっと待ちたまえ。ボクたちはこれからステキでゴージャスな晩餐会に招待されているんですけど……」
ミュラーの言葉を聞き、驚いたオリビエはエステル達と一緒に行く事を説明しようとしたが
「ステキにゴージャスだからなおさら出られると困るのだ。お前にはしばらく大使館で過ごしてもらうぞ。」
ミュラーはオリビエの言い訳をバッサリ切った。
「……………………マジで?」
ミュラーの言葉を聞き、オリビエは信じられない様子で聞き返した。
「俺は冗談など言わん。」
そしてミュラーはハッキリ冗談ではない事を言った。
「そ、そんな殺生な〜……。晩餐会だけを心の支えにここまで頑張ってきたのに〜……」
ミュラーの言葉を聞き、オリビエは情けない顔をしてミュラーに嘆願した。
「さ、さすがに……ちょっと可哀想じゃない?」
「晩餐会に出席するくらい、別に構わんのじゃないのか?」
「何か理由でもあるんですか?
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