〜武術大会・決勝戦〜中篇
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瞳、そしてラピスが最後に呟いていた言葉から金髪のエステルの正体――”聖炎姫”リンである事を察したカーリアンは好戦的な笑みを浮かべて、正体を言い当てた。
〜グランアリーナ・観客席〜
「ラピスにリン……ですって!?お姉様、まさか!」
「……ああ。前セルノ領主の妹、ラピス・サウリンに前バルジア領主、リン・ファラ・バルジアーナ。髪や瞳も肖像画通りの色だったし、間違いないだろう。まさかイリーナ様のようにあの2人も転生していたとは……!」
「……道理でいつもエステルからな〜んか、覚えのある雰囲気があった訳だよ。」
一方観客席でエステル達の戦いを見ていて、耳がいいリフィアやプリネはカーリアンとラピス、リンの会話が聞こえ、驚いた。そしてエヴリーヌはリフィアの言葉を聞き、納得した。
「エヴリーヌお姉様?あのお二人を知っていらっしゃるのですか?」
「……そう言えばお前はリウイの人間の側室達が生きていた時代から生きているのだったな。」
「ん。まあ、会ったのは数回ぐらいだけどね。リンと会話した事はあんまりなかったけど、ラピスなら結構あるね。」
「ほう?当時のお前はリウイの理想にまだ共感してなかった時期と聞いていたのだが、何故人間であるラピスと会話をしたのだ?」
リフィアはエヴリーヌがラピスとの会話を覚えている事に驚いた後、尋ねた。
「……グラザお兄ちゃんを知っていたみたいだからね。それで話が弾んだんだ。」
「……まさかそこでリウイの父の話が出るとはな。……何故、ラピスはリウイの父を知っていたのだ?」
エヴリーヌの口から出た以外な人物――リウイの父であり、エヴリーヌと同じ”深凌の楔魔”の魔神グラザの話が出た事に驚き、”闇夜の眷属”が忌み嫌われ、迫害されていた当時にラピスがグラザと親交をしていた事に首を傾げた。
「なんでも、ラピスの国がお祭りを開いた時、一度だけグラザお兄ちゃんを招待した事があったんだって。」
「そう言えば……国の歴史を学んだ時に旧セルノ王国は当時から多種族に寛容な国だった事に記憶にあります。……イオーノ王は”闇夜の眷属”との親交のために温厚な魔神と噂されていたグラザ様を招待したのではありませんか?」
「………確かにその事は余の記憶にもある。それを考えると王女であるラピスがグラザ様の事を知っていてもおかしくないな。」
エヴリーヌの言葉を聞き、プリネに言われたリフィアは納得した。
「今はそんな事より、あの2人がエステルに転生した事が重要じゃない?」
「そうだな………ふ〜む。リウイに報告すべきか、すべきでないか悩むところだな……」
「そうですね…………特にラピス様はイリーナ様が正妃となっていなければ、ラピス
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