第93話
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。……リウイ皇帝陛下も含め、わし達ロレントの住民は10年前からメンフィル帝国の方々に本当にお世話になっている。君達が陛下直々から依頼を受けていると聞いて、驚いたと同時に君達の事を市長……いや、リベールに住む民の一人として誇りに思ったよ。」
「あはは……さすがにそれは言い過ぎよ。」
「僕達は遊撃士として、依頼を受けただけですから。」
クラウスの褒める言葉にエステルは苦笑し、ヨシュアは謙遜して答えた。
「はは、多分そんな所を陛下が気にいられて依頼を君達に出したのかもしれないな。それよりも、武術大会に出場して決勝まで行ったそうじゃないか。年甲斐もなくつい見物に来てしまったよ。」
「え、見物のためにロレントから来てくれたの?」
武術大会を見るためにロレントからわざわざ王都に来たクラウスをエステルは驚き、尋ねた。
「いや、そうじゃないんだ。実は、グランセル城の晩餐会に突然、招待されてしまってな。それで、今朝の定期船で王都に到着したばかりなんじゃ。」
「お城の晩餐会!?」
「なるほど……そうだったんですか。その晩餐会、デュナン公爵に招待されたものじゃありませんか?」
「よく知っておるのう?元々、生誕祭の式典には夫婦で出席するつもりじゃったから近いうちに来ていたはずじゃが……。いきなり軍の女性士官がやって来て晩餐会に出るよう要請してきてなぁ。」
(その女性士官って……」
(カノーネ大尉だね、きっと。)
クラウスを招待した女性士官に思い当たったエステルとヨシュアは目配せをした。
「ただ、ミレーヌのやつは旅行の準備が整わなくてなあ。仕方がないのでわしだけ先に来たというわけじゃ。」
「そっか……ミレーヌおばさんは来てないんだ。」
「あの、市長。実は僕たちも、もしかしたらその晩餐会に出るかもしれません。」
「ほ……?」
ヨシュアの言葉にクラウスは驚いた。そして2人は公爵の提案で、武術大会の優勝者が晩餐会に招待されることを説明した。
「なるほど……。そういう事になっていたのか。陛下がご不調の折の晩餐会などあまり出たくはなかったが……。君たちが一緒なら気が紛れるといったものじゃ。こりゃあ、相手がロレントに恩人の一人のカーリアン様とはいえ、君たちには勝ってもらわなくてはならんのう。」
「あはは……うん、わかったわ!」
「ご期待に添えるよう頑張ります。」
「頑張りたまえ。………おお、そうだ。レナさんからエステル君に伝言を頼まれているんだったな。」
「お母さんから?一体何を伝えるように言われたの?」
母から伝言がある事にエステルは首を傾げた。
「うむ。……では伝えるぞ。………『エステ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ