外伝〜ジェニス王立学園占拠事件〜前篇
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欲しいというのが現状だしな。」
ヨシュアの意見にバダックは静かな表情で頷いて銀を見つめ
「うっ……えっと……銀さん、だっけ?あたし達としても今は猫の手も借りたいくらいだから、正直銀さんの申し出もありがたいんだけど……一つだけ守ってもらう必要がある約束があるのだけどいいかしら?」
図星を突かれたエステルは唸った後気を取り直して真剣な表情で銀を見つめた。
「ほう……?何を守って欲しいのか言ってみるがいい。」
エステルの要求に興味を持ったのか銀はエステルに続きを促した。
「学園から猟兵達を追い出す時は非合法な事をしないであたし達の指示に従って行動する事を約束して。あたし達は遊撃士だから、幾ら民間人を守る為とはいえ非合法な事は見逃せないわ。」
「クク、”民間人の安全を守る為ならどのような事もする”お前達にそれを言われる筋合いはないと思うがな。―――特にカルバードでは遊撃士達は民間人の保護の為ならば相当無茶な手段を取る事もあり、時には殺し合いにまで発展する事もあると聞いているが?」
「やれやれ……耳が痛いねぇ。」
「……”民間人の安全を守る”時に限っては俺達も猟兵や暗殺者と同類かもしれんな。」
エステルの要求に口元に笑みを浮かべて答えた銀に視線を向けられたジンは疲れた表情で溜息を吐き、バダックは重々しい様子を纏って答えた。
「―――まあ、よかろう。”依頼人”からもお前の母を護衛している”西風の旅団”の猟兵達同様、遊撃士協会の規約に触れずにお前達に力を貸してやって欲しいとの要望だからな。」
「うん、短い間だけどよろしくね!―――あ、学園の様子を偵察するのは結局どうしよう?せっかくだから、そう言った事が得意な銀さんに任せる?」
銀の言葉に頷いたエステルはある事を思い出してヨシュアを見つめて訊ねた。
「―――――いや、彼と僕の二手に分かれて偵察してくるよ。その方が効率的だし、もしハンス達と接触できた時に初対面の彼より面識がある僕の方がハンス達も内部の情報を教えてくれると思うしね。」
「同感だ。普通に考えたらこんな全身黒づくめで仮面までしている怪しい野郎を自分達を救助しに来た奴だと信じないだろうしな。」
「ア、アガットさん〜。手伝ってくれる銀さんに失礼ですよ〜。」
ヨシュアの意見に頷いたアガットの言葉を聞いたティータは疲れた表情で指摘し
「そっか……。……1つだけ確認。あの時の約束……ちゃんと覚えているよね?」
一方エステルは静かな表情でヨシュアを見つめて訊ねた。
「最後まで一緒に歩いていく、だね。大丈夫―――絶対に忘れないから。」
「うん、それならよし!ヨシュア、銀さん……くれぐれも気を付けてね。」
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