第78話
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「わぁ……!」
「す、凄いじゃない!」
「ヘッ、そいつを使えば万事オッケーってわけか。」
「ああ、それがたくさんあれば国内の混乱も収まるんじゃねぇのか?」
ラッセル博士の説明を聞いたティータ、エステル、アガット、ルークは表情を明るくしたが、ラッセル博士は難しい表情で説明を続けた。
「いや……そこまで都合は良くない。まず第一に、この試作品が守れる対象は限られておってな。せいぜい両手で持てる大きさくらいのオーブメントくらいなんじゃ。」
「両手で持てる大きさ……」
「むう、そうなるとかなり限られてきちまうな……」
「どんなオーブメントだったらいいんだろう……?」
「フム……思いつく限りで言えば通信器や戦術オーブメントに導力を使う武器……と言った所か。」
ラッセル博士の話を聞いた仲間達が考え込んでいる中首を傾げているソフィの疑問にバダックは答え
「それに”第一に”という事は他にも欠点があるという事ですよね?」
「そう、ですね。話を聞く限り、かなり高度な技術で創られていますから、恐らくは数に限りがあると、思います。」
「うむ……その通りじゃ。カシウスに頼まれていたとはいえ、16個しか完成できなかった。」
イオンとアリエッタの推測に頷いたラッセル博士は話を続けた。
「16個……結構多いと思うんだけど。って、父さんに頼まれていた?」
「うむ……しばらく前にわしの所に来て開発を依頼していったんじゃよ。その時は、こんな騒ぎになるとは夢にも思っておらんかったが……」
「そ、そうなんだ……」
「さすが旦那。先の先まで読んでいたわけか。」
「フフ、さすがは名高き”剣聖”ね。」
(ハハ、同じ”剣聖”でもあいつにそこまでの能力はねぇだろうな……)
ジンと共にアーシアが感心している中、フレンはある人物を思い浮かべて苦笑していた。
「しかしそうなると……16個の使い方というのはほぼ決まってしまいますなぁ。」
するとその時”零力場発生器”の用途を推測できたケビンは苦笑しながら答えた。
「ほう……お前さん、なかなか鋭いな。」
「え、え、どういうこと?」
「混乱の最中で一番重要なんは何をおいても素早く正確な情報や。結社の連中が現れたとしても、必需品をどこかに運ぶにしても、情報が届かんかったら対処できん。そうなると……」
「各地にある通信器を回復させるために使う……つまり、そういう事ですね?」
理解できていない様子のエステルにケビンが説明し、ヨシュアがケビンの説明を続けた後、確認した。
「ビンゴや♪」
「そっか、確かに……」
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