第77話
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表情で指摘したが
「意外、です。貴方の口からそんな言葉が、出てくる、なんて。」
「フッ、最初の頃のお前はまさに空気を読んでいない発言ばかりだったからな。」
「う”っ……」
「ま、まあまあ。今のルークは本当に見違えたように成長したのですから、もうその事を持ち出さなくてもいいじゃないですか。―――話の腰を折ってすみません。ヨシュア、続きをお願いします。」
アリエッタとバダックの指摘によって過去の自分を想い出して表情を引き攣らせ、その様子を見たイオンは苦笑しながら諫めた後ヨシュアに視線を向けた。
「ハハ……話を続けるけど”結社”に引き取られる前、あの子が置かれていた環境はとても酷いものだったけど……でも、僕と違ってあの子の心は壊れなかった。どんな逆境すら、対処すべき環境変数として把握できたから……だから自分を保ったままでいられた。」
「で、でもそれって……!」
「うん……そうだね。いくら感情を制御できても心が痛くないはずはないと思う。」
「「………………」」
ヨシュアの話を聞いたエステルが黙り込んでいる中、レンは複雑そうな表情をしていた。
「僕が知っている限り、ユウナがあんな風に昂ぶったのは見たことがない。それは多分、君の言葉がユウナ自身も気づかないような本当の部分に届いたからだと思う。……君だからできたことだよ。」
「ヨシュア……そういう事ならヘコんでばかりもいられないか。見てなさいよ〜、ユウナ!今度会った時は、本当のあんたと徹底的に向かい合ってやるんだから!」
「お、お姉ちゃんってば……」
「ははっ、それでこそエステルちゃんやで。」
「うふふ、ユウナも厄介な人物に目を付けられてご愁傷様ね♪」
「ふふっ、ヨシュアを連れ戻すことができたエステルさんならきっといつか、あの子の心にエステルさんの言葉が届きますよ。」
すぐに元気を取り戻したエステルの様子を仲間達が微笑ましく見守っている中、レンは小悪魔な笑みを浮かべ、ステラは微笑みながらエステルを見つめていた。
「ま、それはともかく……とりあえず、これからどうする?”結社”の意図が分からない以上、王都に戻るのも何だと思うし……」
「それなんだが、今日の所はレイストン要塞に寄ってはどうかな?そうすればカシウス准将と今後についても相談ができるだろう。」
「あ、確かに……」
「そうした方が良さそうですね。」
「それでは、ユリアさん。レイストン要塞に向かってください。」
「了解しました―――」
「た、大変じゃあ!」
親衛隊員達にユリア大尉が指示を出そうとしたその時ラッセル博士が慌てた様子でブリッジに現れた。
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