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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第26話 湾内さん
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甘えているサソリを思い出した。
小さい手で人形に縋り付いて、必死に愛情を求める姿。
佐天は、サソリのことに釘付けとなった。

赤い髪に白い身体
傷だらけの身体でどんな毎日を過ごして来たんだろうか?

胸が締め付けられる想いだ。
「ごめんね。サソリ」
不意にそんなことを口走っていた。
「......何でお前が謝るんだよ」
佐天は、自分の口を押さえた。

えっ!?
あたし今何を?

「いや、嫌な事思い出させたかと思ってね」
「......」
サソリが睨みつけてきている。
何かを探るように

気のせいか......

レベルアッパーを使う前と使った後の佐天の雰囲気が変わっていた。
しかし、その違和感が何なのか分からない。
「サソリさん!そんなお辛いことをしていたんですわね。わたくしに出来ることがありましたら、遠慮なく言ってください」
湾内が拳を握り、力強く言い放つ。
「何故オレの事を知っている?」
「あたしが教えたからよ。アンタが不良から助けたことになっているけど」
「そんな事したかな?」

「そうですよね。すみません。わたくしが勝手に」
湾内は、涙を流しながら可憐に悲恋そうに顔を背けて、高級そうなハンカチで目元を吹き始めている。
「!!?」

なんか空気が一変した。
泡浮が泣いている湾内を慰めるように背中に手を置きながら、サソリを睨みつけた。
「ん?ん!?」
完全にサソリが悪者のようになりだして、御坂がベッドに備えてあるテーブルを叩いた。
「サソリ!早く思い出しなさい」
「覚えてねえって言ってるだろ」
「御坂さん落ちついてください」
佐天が収めようと御坂に手を振りだす。

「なんだよ。レベルアッパー関連か?」
「違うわよ。なんか巡回ロボットを落として助けたみたいだけど」

巡回ろぼっと?

「は?オレが落とした?......そんな事するわけが......あっ!」
何かを思い出したかのように顔を伏せ、顔色を悪くし始める。

自動で動く傀儡人形を運ぼうと悪戦苦闘をしている時に、屋上から落としてしまった。
その時にいた女だ。
「げ!?」
「あの……その……ありが」
クセっ毛の強い女が顔を赤らめながら、こっちを見ていた。

あの時の記憶が甦る。
「やべ、あった......こんな奴いたな」
「思い出してくれましたの?」
嬉しそうに手と手を合わせて音を鳴らす。
「お前......目的は何だ?」
悔しそうに湾内を見上げる。
「はい?」
満面の笑みでサソリに微笑み掛けている。
サソリに取ってみれば、この女に弱味を握られているのと同じだった。
大蛇丸が関与しているであろう、この場で派手に動いて失敗してしまった。
その時の事を一番に目撃している女が
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