暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第12話『独りじゃない』
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つの間にか、クラスの大半の女子は席を立ち、前へと出てきて柊君の周辺に集まっていた。
いつしか柊君の涙は止まり、なんだか照れてるように見えてきた。
今まで経験したことのない、新鮮な気分なのだろう。

状況に納得した。やっぱり、クラスの皆は優しい人なのだ。
このクラスではイジメなんて起こり得ない。
救われたね、柊君。

俺は柊君に近づきこう言った。


「言ったでしょ? 君を変に扱う人はいないって」

「…うん」


彼はくすりと笑いながらそう返した。
・・・うん、確かに可愛らしい。







お祭り騒ぎの開始から30分。未だに止む気配はない。
そろそろ授業の時間に差し支えが出そうなんだが…まぁ良いんじゃないかな。先生も止めることはしなかった。

だが今は、先程よりも盛り上がっている気がする。


「うっ…」

「「キャアー!!」」


クラスの女子たちが黄色い声を上げる。
なぜなら柊君には“尻尾”も生えていたことが判明したのだ。
彼女らはそれを見て、さっきより一層可愛いだの何だの興奮しているようだ。


事は5分前に遡る。


なんやかんや騒いでいたクラスの女子たちが、柊君に「パーカーを脱いで」と頼んだのが始まりだ。もちろん本人は「これ以上何かあったら今度こそ嫌われる」と思ってか、頑なに拒否していた。
だが女子たちが強制的に脱衣を行ったため、彼の尻尾が眼前へと晒されたのだ。
ちなみに尻尾も狐のようであった。


彼の今の状況を説明するなら・・・『ハーレム』だろうか。クラスの大半の女子が柊君に群がっているのだから。
何か周囲の男子の目が冷たくなっている気がするが、まぁイジメに発展することはないだろう。……たぶん。


「あの…そろそろ離して貰えると…嬉しいのですが…」


女子にもみくちゃにされながら柊君がそう言った。さすがに彼にもこの状況がキツいのだろうか。その気持ちよくわかる。入学式の俺もそうだったから。


「皆さん、続きは後にしましょうか。そろそろ1限が始まります」


先生が柊君に助け船を出した。
まぁ“後に”と言ったので、休み時間がどうなることやら・・・。







案の定、どの休み時間も女子の騒ぎが落ち着くことはなかった。むしろ、ひどくなったと言うべきだろう。
そして、安定して柊君が可愛がられる。俺は憎たらしいとは思わないけど、やはり他の男子の目が……。

だが、昼休みは違った。柊君が逃げたのだ。
無論、女子は逃げるとは思っていなかったらしく、柊君が教室から飛び出た後もずっとあたふたとしていた。

しかし俺はいち早く、彼を追いかけた。





「柊君!」


俺は彼
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