第5話 Saturday of our someday
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こんなに女の子らしい匂いするんだっけ?
たった数年でここまで変わるものなのか...。
と、幼馴染の成長に少しばかり嬉しい僕だった。
「大丈夫?」
「......」
「花陽ちゃん?」
「え?」
こちらに振り向いた花陽が真っ赤になっていた。
強く抱きしめすぎてしまったのだろうか...
「ケガしてない?気を付けるんだよ。」
「う...うん、大丈夫だよ。あ、ありがとう...」
なんとなく気まずくなってしまい、僕も目を泳がせながら巫女さんからお釣りを受け取る。
巫女さんはというとなぜかニヤニヤしながら、
「お兄さんラブラブやんな〜。」
と、言ってくるまであった。凛はなんか僕を睨みながらぶうっと頬を膨らませている。
僕はどうリアクションしたらいいかわからず、とりあえず苦笑いを凛と巫女さんに振りまく。
未だにこっちの世界に戻ってこれない花陽は「...ふえ...抱きしめられちゃった。」とつぶやいていた。
どうしたらいいか...と迷っていたところに、
「あれ?」
「ん?どうしたの凛ちゃん、巫女さんを見て...」
「いや...巫女さん、どこかで見たことがあるような気がするんだけど...」
「そうなの?」
凛の意外な記憶力と巫女さんを交互に見比べ、僕も記憶を辿るけど全然そんな覚えはなかった。
一体どこで凛は出会ったというのだろうか...
「巫女さんは高校生かにゃ?」
「そうやで、ウチは音ノ木坂の高校三年生で副会長の東條希っていうんよ〜。よろしくなぁ星空凛ちゃん♪」
「え!?なんでりんの名前知ってるんですか?」
「それはウチが副会長やからで♪」
この巫女さん...東條さんはなにやら凄そうな人だ。副会長で全校生徒の中の一年生...しかも『星空凛』という一人の女の子を特定したのだから...
どんな方法で凛を知ることができたんだろうか......。
「あの、一体どうやって───」
東條さんに質問しようとしたとき、
「希〜っ!お待たせ〜!少し生徒会室で資料まとめてたら遅れちゃったわ!」
石段の方から澄んだ綺麗な声が聞こえた。
僕と凛は声の持ち主の方へ顔を向ける。
そこには......
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