第5話 Saturday of our someday
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..僕はどうなるんだろう...?
いや、そういう考えはよくない。いつかは僕も花陽も凛も、自分の進路に向けてここから離れていく。
それは仕方ないことであり、運命でもある。
...仕方ないことだとわかっているけど、すごく胸がモヤモヤする。
(...まぁ、今思いつく簡単なお願い事でいいかな?)
三人でお願い事を始めてからこの間僅か数秒。
珍しく頭がフル回転したなぁ、と感心しながら僕も目を瞑って願い事をする。
───三人で楽しい高校生活を過ごせますように。
と。
「ねぇ凛ちゃん!春人くん!あそこで縁結びとかのお守りを売ってるんだって。行ってみようよ〜。」
「”縁結び”?なに?かよちん好きなオトコノコとかいるのかにゃ!?」
「ち、違うよぉっ!ただ例として挙げただけで???」
「これは一大事だにゃ春くん!かよちんの周りに遂にオトコノコの気配だにゃ〜!!」
「ふぇぇっ!?な、なんでそうなるのぉ!?うぅ...ダレカタスケテェ〜ッ!!」
願い事をしてから僕たちは境内内を散策していた。特に目立つところはないけど、花陽が目にした先にはお守りをはじめとするグッズが多数並べられていて、その中の”縁結び”を例えにだした花陽は凛に翻弄されていた。
それこそ、いつものように...
「にゃ〜?かよちんの好みの男の子はどんな子なのかにゃ〜?見せてにゃ〜!」
「ふぇぇっ!?だから凛ちゃん違うってばぁ〜っ!!」
追いかけられる花陽と追いかける凛。
二人のじゃれ合いを横目で見ながら、並べられたグッズに目を通していく。
縁結び、合格祈願、交通安全、安産守、学業成就のお守り。
どこの神社や寺院にもありそうなモノばかりだった。
───二人の為に何か”お受けしてこようかな”。
と、僕は”学業成就”と彫られていた三本の鉛筆セットを手に取る。
赤、緑、青の鉛筆はなんとなく”信号機”を連想させた。
あれ...?順番ってどうだったっけ?
これが所謂”ど忘れ”というものである。
「お兄さんは勉強が苦手なん?」
「え?」
唐突に女性の声が奥から聞こえ顔をあげる。
その先には巫女姿の長髪の女性が僕を見て微笑んでいた。
「えっ...と。」
「それとも、後ろの可愛らしい女の子たちのため?」
紫の綺麗な髪を揺らしながら巫女さんは尋ねる。
いきなり声をかけられて内心バクバクの僕は「えぇ、まぁ...はい」と誤魔化しながら返答する。
「
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