第5話 Saturday of our someday
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にあるっていうあの?」
「うん、あの神社にゃ」と凛が僕達の前をステップで歩きながら答える。
───神田明神
僕達三人が向かっている先にある神社は、東京都千代田区外神田二丁目に鎮座する神社でそこにたどり着くまでにかなりの石階段を登らなければならないという地獄の神社で有名だ。
僕も何度か行ったことがあるらしいが、如何せん幼稚園とか小学生の時の話なので覚えてない。
ただ、石階段は記憶の片隅に残ってるような気がする。
「花陽ちゃんは覚えてる?」
「うん覚えてるよ♪春人くんが泣きながら階段上った姿が可愛かったなぁ〜♪」
はふぅっと妙に艶かしい表情でそんな事を言い出す。全然覚えないけど、そうか、僕は泣きながら噂の階段を上ったのか......
だとしたら心してかからないとな。気持ちを引き締めて正面を見据える。
「春人くん、ここだよ。」
「ここ?......な、長いね」
「そうかにゃ?」
僕と花陽はちょっと怖気付いた目で、凛は頭の後で手を組みながら呑気そうに欠伸をする。
角度は80度くらいで見上げる先には古ぼけた鳥居が君臨している。
「さぁ、行っくにゃ〜!!」
「へっ!?ちょ、早いって!」
「凛ちゃぁ〜ん!!」
僕と花陽がぼーっとしてる間にも凛がスタスタと石階段を上っていく。僕らもその後に続いて......
階段を上ったけど僕と花陽が凛と違うところ、それは日頃運動してるかそうでないかの違いだ。今日まで運動を続けてきた凛は長い石階段を軽々と攻略し、比較的文化系の僕や花陽は汗をかきながら、ようやく鳥居まで着いたころには「2人とも遅いにゃ〜」と言われる始末。
「だ、だって......運動なんてに、苦手だから......」
「ふぅ....はぁ....汗、かいちゃったよぉ」
花陽はハンカチで汗を拭った後、カバンから汗ふきシートを取り出して後始末をする。花陽からふんわりとフローラル系の香りが漂う。
僕も汗をタオルで拭い、この前花陽たちに買えと言われて購入した制汗剤で匂いを誤魔化す。
そんな二人に比べて汗一つかいてない凛が羨ましい。
「ここだよ春くん、かよちん。」
「はぁ....はぁ......ここ?」
凛が指差した方を見る。
どこにでもありそうな極普通の神社。だけど、なんとなく僕の記憶の中にあるような気がする。
確信は持てないけど、三人で遊んだこともあるかもしれない。
鳥居をくぐり、境内内に入ると僕はここがどういう神社か知らないことに気付く。
「ここは.....どういう神社?」
「ん〜わかんないにゃ。多分な
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