暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
語り間
[3/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
現れたのは世界地図。だが、ところどころの国が赤く塗り潰されていた。
「赤い国が、彼奴が直接的であれ間接的であれ技術提供した国じゃ。さて蓮君や。この図を見て、どう思う?」
「……ヨーロッパ辺りを除いて、先進大国が軒並みない?」
警戒色である赤に塗り潰された国は全世界的に散らばっている。だが、世界の中心といっていいアメリカやロシア、中国にはマーカーがついていなかった。
「その通りじゃ。アメリカ、ロシア、中国、そして日本。EU界隈を除いてヤツの軍事介入はほとんどない。……まぁ正確に言えば、アメリカにせっつかれて、イージス艦に積む新しい戦略AI開発プロジェクトに関わっているという情報も入っているが、これは除外してもいいじゃろうな」
「何で?戦略AIなんて、かなり兵器って印象受けるけど」
「キューバは知っておるか?世界で合衆国に一番近い反米国家じゃ。最近でこそ改善されてきたが、いずれにしてもアメリカ側からすれば要監視対象なのは変わらんじゃろうな」
「はぁ…きゅーば」
車椅子関連の事情で学校にも満足に行けていない少年はのんきに生返事を返す。
正直世界地図さえ満足に覚えてないのに、いちいち国家間のギスギス関係などチェックしている訳がない。まだまだ政治には興味が出ないお年頃なのだ。
―――闘牛で有名なトコかな?
それはスペイン。
「そこがどうかしたの?」
「ここでも小日向相馬は兵器開発を行っておってな。開発コード《Os#7FFFD4》、通称はサルガッソー。有名なバミューダトライアングルの真実とも呼ばれている説をそのまま兵器転用したようなモノじゃ。莫大な量の気泡を発生させる子弾を本弾から大量に海中にバラ撒き、海上を通る船を支える浮力を無力化する……言うなれば多少インテリぶった機雷のようなものじゃよ。まんまと発動すれば、船の墓場が出来上がるじゃろうな」
「そうか、さっきのアメリカで開発されたAIを積んでても……」
「対艦兵器じゃからなぁ。しかも当たらなければいい従来の機雷と違って広範囲ときておる。下手すればキューバのある大西洋側全ての港が使い物にならなくなるかもしれん。そうなれば彼奴が積極的に関わっているヨーロッパへの軍事介入手段の一つが潰れたことになる」
そこで老人は言葉を切り、煙管を吸って紫煙を吐き出す。
甘い香りが鼻腔を刺激するが、それをほとんど意識せずに蓮は頭をフル回転させていた。
次世代兵器を造り出す金のニワトリ。
先進大国への意図的な技術提供の断絶。
それによって先進国はどう思う?
周囲の国の軍備レベルが急速に自国と離れていくと知ったら?
「…………………………まさか」
行きついた恐ろしい考えに、思わず唇の合間から呻き声が漏
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ