第4話 僕と彼女の小さな思い出
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でもきっと、今日のりんの姿を見てがっかりしてるだろうな...
いつものように走れなかったし、楽しめなかった。二人は今、どんな気持ちでいるんだろう......
怒ってるかな?悲しんでるかな?今会いに行って確認してみたい。でも、会いに行きたくないと躊躇っているりんもいる。
それはきっと、二人が”悲しんでる顔を見たくないから”というりんのちょっとしたわがままからきているのかもしれない......。
だから今は、”今の自分”を二人には見せられない。
そんな時、誰かの足音が一人分...違う、二人分選手控室の方に近づいてきた。
春くんとかよちんかな...?と、りんは考えたけどこんな時間はほとんど帰っている人が多いだろうし、もしかすると警備員が徘徊を始めたのかもしれない。
これだと警備員のひとに迷惑かけちゃうにゃ、とりんは疲労の体をゆっくりと動かしてロッカーの中の着替えを取り出す。
───もう、走るの辞めようかにゃ...
何度も脳裏をよぎった決断を自分に言い聞かせるように反芻する。
別に本当に走ることを止めるわけじゃない。選手として一人の部員としてこの”大きな舞台”で走るのを止めようか...ただそれだけのこと。
”ここ”じゃなくても別の場所で走ることだってできるし...
でももし、もしりんが陸上を辞めたら...二人はどんな顔をするだろうか。
「悲しむ...に、決まってるにゃ。」
どんなに付き合いが短くても男の子だろうと女の子であろうと、春くんもかよちんもりんの大切な幼馴染。
ずっとりんを応援し、見守ってくれてた二人だからこそ、りんにとってこの決断はありえない。
「......っ」
そんな答えの出ないことを考えながら、私服に着替え、汗のついた服をそれぞれ別々に小分けして最後にまとめてスポーツバックにしまう。靴も専用のシューズからりんのお気に入りのスニーカーに履き替える。
「帰ろう...今日は疲れたにゃ...」
肩を落としたまま、扉を開ける。
そして目の前には......
「お疲れさま、凛ちゃん。待ってたよ。」
「大丈夫?ずっと来なかったから具合悪いんじゃないかって心配したよ?」
「...春くん、かよちん」
春くんもかよちんも、いつもの雰囲気で、いつもの笑顔でりんを迎えに来てくれた。
「さぁ、行こうよ凛ちゃん。約束のラーメン、食べに行くんでしょ?」
「え?でもそれは......」
「トッピングもつけるんでしょ?メンマとチャ
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