第4話 僕と彼女の小さな思い出
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けてきたランニングを辞めることなくずっと続けているらしい。
そんな彼女に日課に付き合う僕も花陽も然り、凛の走る姿は大好きで、彼女の”人を魅せる走り”で幾度もの大会を制覇しているのを間近で見ている
「うん来てほしいにゃ!いつもの公園にいるから待ってるにゃ〜!」
「わかった、花陽も連れてそっち行くから????」
「わわわっ!ま、待って!」
準備をしようと電話を切りかけたところで凛から静止の声がかかる。
「う、うん?なに?」
「え...と、ね?か、かよちんは今勉強で忙しいって言ってたから来れないって。だ、だから春くんだけでいいにゃ!」
「そ、そうなんだ。じゃあすぐそっちに行くから無理しないでね?」
「わかったにゃ!すぐ来てね〜!」
妙に焦燥した凛の声がした。何に焦ってるかはわかんない、けど急いで欲しいのかもしれないと僕は考え、電話を切った後軽く身支度を整えパジャマの上からカーディガンを羽織って外へ飛び出す。
昨日の夜は春のうちむれていたアスファルトから生温かい風が吹いている夜だった。だけど今日の夜は少し違くてドアを開けた途端思わず肩がすくむほど、春寒の夜風が肌に刺激を与えてくる。
数分走っていつもの公園が見えてくる。途中の道ですれ違った人たちの足音も人声も、春の暗闇の空に吸われて、音が尖ってきこえず、やわらかい円みを帯びてきこえる。
いつもの公園の中央をライトで照らされ、その下に見覚えのあるオレンジ髪の少女がタオルで汗を拭きながら僕の到着を待っていた。
「お待たせ凛ちゃん〜!」
「あ!春くん遅いにゃ!りんを何分待たせるんだにゃ!」
「ご、ゴメン...」
僕の家の近くの公園だからそんなに時間は経ってないと思う...せいぜい1、2分くらいだ、
僕は軽く頭を下げて謝り、途中自販機で買ってきたスポーツドリンクを渡しながらねぎらいの言葉をかける。
「はい、お疲れさま凛ちゃん♪今日はどれくらい走ったの?」
「ありがと!んーと...3、4キロかなにゃ〜。今日はりんの家の近くの神社の方を通ってからここの公園に来たから少し時間かかったけど。」
そっかぁと、反応して僕は凛の隣でしゃがむ。凛はスポーツドリンクを開けて乾ききった喉を潤す。
「凛ちゃんは高校でも陸上続けるの?」
「もちろん続けるにゃ、だってりん体動かすの大好きだし、みんなの前で思いっきり走るときの雰囲気とか、熱気とか、目つきとか、大好きなんだ〜」
「僕もいつも観客席で楽しそうに競技場を駆け抜ける凛ちゃんの姿大好きだから...凛ちゃんに陸上やって欲しいかな。」
「そう...かにゃ?えへへ、春く
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