第八話 安息日にその九
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「貴方は女の子になるのよ」
「身体も心も」
「全部ね」
「そんな、女の子になるなんて」
崩れ落ちようとしていた、その場に。
だが何とか立ったままだ、優花は呆然としながらも今は言葉を出した。
「僕が」
「信じられないわね」
「うん・・・・・・」
姉の言葉に頷いた、頷くだけだった。
「とても」
「そうね、姉さんもね」
「姉さんもって」
「最初このことを聞いて信じられなかったわ」
「そういえばこの前まで」
「お酒ばかり飲んでいたのはね」
「そういうことだったんだね」
優花はあの時の真実を今知った。
「僕のそのことでだったんだ」
「そう、けれどね」
「飲まなくなったのは」
「受け入れたからよ」
この事実もだ、優子は言った。
「姉さんもね」
「僕のそのことを」
「そう、受け入れたのよ」
「つまりそれは」
「姉さんは姉さんよ」
こう優花に言った。
「ずっと、何があってもね」
「最近言っていた言葉だね」
「貴方の姉さんよ」
さらに言ったのだった。
「これからも何があっても」
「僕のだね」
「そう、姉さんよ」
このことは普遍だというのだ。
「絶対にね」
「僕が女の子になっても」
「ええ、私は優花のお姉さんよ」
「そうなっていてくれるんだ」
「決めたから」
自分自身でというのだ。
「姉さんも逃げないわ」
「僕が女の子になってもだね」
「ええ、ずっとね」
「姉さんでいてくれるんだね」
「これから何があっても」
優花、彼にというのだ。
「私は一緒だから安心してね」
「僕は一人じゃないってことだね」
「そう、姉さんを頼ってね」
こうも言ったのだった、優花に。
「いいわね」
「じゃあ」
「このことを伝える為にね」
是非にと言うのだった。
「私は優花をここに連れて来たの」
「色々な場所になのね」
「そうなの、最後にここにも来たの」
「わかったよ」
優花も今気付いた、自分の言葉遣いが明らかに女の子のものになっている時があることに。そしてそのことに気付いて。
「僕、確かにね」
「喋り方もね」
「女の子になってきているんだね」
「女の子になっても」
また言った優子だった。
「優花は優花だから」
「じゃあ」
「これからのことは姉さんに任せて」
性別が変わってきているその中でもというのだ。
「信じてね」
「わかったよ」
「ええ、じゃあね」
ここまで話してだ、優子は。
顔を青い薔薇に戻してだ、優花にこう言ったのだった。
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