第20話「しゅうげき」
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てでも殺そうとした。...それだけは確かです。」
「.......。」
俺の言葉を聞き終わり、先生は考え込む。
「....ランダル..コーポレーション....。」
「....!それって...!」
先生が呟いた会社名に、蘭が勘付く。
「...ゲームなら、確かに製薬会社は怪しいけど、まさか現実もだなんて...。」
「でも、マニュアルの緊急連絡先では一番上に書かれているの。...少なくとも、無関係ではないはずよ...。」
胡桃の言葉に先生がそう返す。
「...どの道、既にここで生きているっていうのはばれている。...次が来る前にさっさとここから離れるべきだと思う。」
「...私も同意見かな。それほど、時間の猶予はない。」
俺と蘭はここから早めに旅立つ事を勧める。
ヘリに乗っていた奴らが、既に本部辺りに連絡していたかもしれないからな。
「...火事が収まり次第、各自で準備するべきだな。」
「.....こことも、さよなら、ですね...。」
俺の言葉に美紀がそう言う。
「どの道、今回の件で、ヘリの爆発の際に校舎の三階辺りが火事になったから、もうここで生活はできないだろう。」
「そう...ですね...。」
また新たな拠点を探さないといけない。
そう考えて、皆表情が暗くなる。
「―――卒業式だよ!」
「...は?」
しかし、そこで突然由紀が声を上げる。
「この学校にいられなくなる...つまり、卒業式だよ!」
「...こんな時に何言ってるんですか...。」
由紀の能天気な言葉に、美紀は突っ込む。
「学園生活部がなくなるんでしょ?さすがに私にも分かるよー。」
「違うんです!それどころじゃ...。」
目の前の現実を否定し、飽くまで“学園生活部”がなくなるという由紀。
それを美紀が否定しようとして....。
「...分かってるよ...。」
「....っ?」
どこか、いつものお気楽な雰囲気じゃなくなった由紀に、皆が少しばかり驚く。
「....いつも、目を逸らしてた。そんな私を見捨てずに、皆頑張ってくれたんだもん。....いい加減、恩返しもしたいから...。」
「由紀....お前...。」
俯き、いつも被っている猫っぽい雰囲気の帽子を脱ぐ。
そして、俺たちに向かってそう言った由紀の目は、目の前の“真実”を見ていた。
「ありがとう。皆。....私はもう、平気だよ。」
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