第20話「しゅうげき」
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取り上げる。
「貴様...!」
「...洗いざらい吐いてもらうぜ?なんで襲ってきたのか、諸々な!」
しかし、色々聞き出すためにはこのゾンビ共が群がり、炎が燃え盛って未だに爆発の危険がある中を抜けて、こいつを応急処置しなければならない。
「蘭!奴らの処理を頼む!」
「分かった!任せて!」
奴らは蘭に任せるとして、俺は目の前まで来ている奴らの相手とこの火の海を抜ける事に専念するとしよう。
「(...だけど、結構数が多いな...。)」
おまけに、奴らの体が燃えているせいで近づきたくない。
温度覚をだいぶ失った俺だけど、だからこそ火傷に気づけないかもしれんからな。
「ぐ....死ね...!」
「っ...!」
だが、そこで肩で支えていた奴が腰に差していたナイフを俺を刺そうとしてきた。
咄嗟に俺はその腕を掴んでそのまま地面に転がす。
「(どこまで俺を殺そうとするんだこいつは!?...いや、むしろそこまでして生かしてはおけない程の秘密が、この学校...もしくはこの街にあるのか!?)」
そんな考えに至った俺だが、男につられて寄ってきたゾンビが視界に入り、それどころではないと悟り、戦闘態勢に入った。
「くそ...!おい!死にたくなければ...って、え...?」
目の前に来たゾンビを殴り、蹴り飛ばし、転がした男に言う。
...しかし、その男は既に動かなくなっていた。
「まさか...!...チィッ...!」
とりあえず近くの奴らは粗方始末し、息を確かめる。
...死んでいた。
「蘭!撤退だ!撒いてから俺たちも地下に行くぞ!」
「分かった!」
死んでしまったのなら仕方がない。
とにかく、俺たちも火から避難しようと校舎内へ向かう。
「燃えてくれるのは助かるな。手間が省ける!」
「私達も滅茶苦茶暑いけどね!」
近くの奴は蹴り飛ばしながら、俺と蘭はそう言う。
「....っし、粗方撒いたな。」
「じゃあ、校舎内に入るよ!」
熱気と爆発の塵によって服はボロボロで汚れている。
こりゃ、洗濯が大変だなと思いつつ、俺たちは地下へと向かった。
「...っふぅ...煙がやばい...。」
「火はともかく、煙が凄いね...。」
屋上の方が燃えたからか、地下近くまで煙が充満していた。
「...っと、あったあった。」
「...閉まってるね。」
シャッターまで辿り着いたが、閉まっていた。
...まぁ、避難してるから当然だな。
「って、熱っ!?」
「火事の熱気がここまで来てるからな。俺に任せろ。」
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