第20話「しゅうげき」
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「わん!」
太郎丸もそこは嬉しかったようだな。
とにかく、俺は二匹を連れて部室へと戻った。
もちろん、途中で蘭と胡桃も回収してな。
「次郎丸はどうかな?」
「それだと安直すぎません?似ている訳でもないですし。」
二匹を連れ帰った後、なぜか子犬(♀)の名前を決める事になった。
「じゃあ...太郎丸二世!」
「勝手に世代交代するな!」
「あうっ!」
由紀の案に胡桃が突っ込む。というか、雌にその名前は...。
「....命でどうだ?」
ふと、思いついた名前を言ってみる。
「どうして命なの?」
「この状況下で生き延びてたからな。見た所野良みたいだし。尊い命って事だ。」
先生が意味を聞いてきたので、俺はそう答えた。
“みこと”は“命”とも“尊”とも書くからな。意味合いとしてもバッチリだ。
「命...いいな、それ。」
「じゃあ、命ちゃんでけってーい!」
そう言って由紀は命を掲げるように持ち上げる。
「きゃん!」
「わっ、っとと..。」
「...俺たちに...というより、太郎丸に懐いてる感じだな。」
地下に二匹でいたって事は、太郎丸からそこに行ったのだろう。
「...ま、これからは二匹を世話しなくちゃな。」
「そうね。」
なんとかなるだろう。今までもそうしてきたし。
そう言う事で、新たに部員(?)が増えた。
「皆!屋上に来て!!」
数日後、命が現れて馴染んできた頃に、悠里が部室に慌てて入ってきた。
「どうしたんだりーさん?」
「ヘリが...ヘリが見えたの!」
「なにっ!?」
悠里の言葉に部屋にいた全員が驚く。
「とにかく、屋上に来て!」
「お、おう!」
悠里を追いかけるように胡桃や美紀たちが屋上へと向かう。
今は由紀や先生たちもいたので、全員で屋上へと向かう事になった。
「......。」
「どうしたの遼?」
「...いや、ちょっと、な。」
嫌な予感がした。だが、とりあえず俺たちは屋上へと向かった。
「ほら、あれよあれ!」
「...確かにヘリだな。どれ...?」
悠里が指差す方向に、ヘリが見える。
よく見ようと俺は双眼鏡を使って見てみる。
「(....ん?下部に....機関銃、だと?)」
「どうしたの?....何か、見えた?」
蘭が気になって俺に聞いてくる。
「(...こっちに気付いている?それに.....っ!?)」
―――チュン!!
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