第33話絆深き決闘
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彼らは今、大きな戦いを前にぶつかり合い、互いに悔いのないように剣を振るう。この《黒の剣士》と《隻腕のドラゴン》と呼ばれる二人はーーー
「フッ、想像以上に重いな・・・フンッ!」
「うおっと!ハハハッ・・・オレ、やっぱり飢えてたのかなぁ・・・全力になれる相手にっ!!」
笑いながら剣を交えている。
キリトくんが《二刀流》を大勢の前で初めて使ったのは《ザ・グリームアイズ》との戦いで奥の手として使用し、《軍》のシンカーさん救出の際に使って以来戦闘に出なかったからそこまで《二刀流》を使う事はなかった。その本気の戦闘スタイルで笑いながら振るえる相手が目の前にいる。
ライリュウくんの大剣が光を纏い、キリトくんの二刀の剣も光を纏う。
「はあぁぁぁぁぁぁ!!」
「でいやぁぁぁぁぁ!!」
ライリュウくんの《両手剣》突進系ソードスキル《アバランシュ》とキリトくんの《二刀流》突進系ソードスキル《ゲイル・スライサー》。この二つのソードスキルはどちらも初歩的なスキル、だけれどーーー威力が高く、その風圧がわたしに伝わってくる。
ぶつかり合ったキリトくんとライリュウくんの硬直は短く、解除された瞬間に後ろに跳び距離を取った。すかさずライリュウくんは前方に大きくジャンプしソードスキルの体勢にーーー
「行くぞぉっ!!」
空中で範囲系ソードスキル《サイクロン》を発動。あれは横方向に大きく一回転する技であって、空中で使う技ではないんだけどーーージャンプの落下の勢いを利用して回転しながらキリトくんに斬りかかっている。《サイクロン》は必要以上に近づかなければ当たらないけど、こういう方法があったのね。
それに対してキリトくんはーーー《エリュシデータ》と《ダークリパルサー》を十字状に構えている。
「ゲッ!?《スペキュラー・クロス》!?」
「当たりーーー!!」
十字状に構えた剣が光を纏い、《サイクロン》を跳ね返す。《スペキュラー・クロス》は初めて見たけど、あれってカウンター系ソードスキルなのね。
ライリュウくんは驚きながらも身体を仰け反らせて上手く避けている。前から思ってたけど、ライリュウくん器用よねーーーあれ?いつのまにかーーー
「わたし・・・楽しんでる?」
もうすぐボス戦で、嫌でもピリピリするような状況だったのに、二人のデュエルが始まってからーーー不思議だなぁ。もしかしたら、片方が大好きな人だからかもしれない。そうでなくてもあの二人には、あの二人のデュエルにはーーー周りの人を惹き付ける不思議な力があるのかもしれない。
「ライリュウ!デカイの行くぞ!!」
「来い!」
キリトくんが大技発動を宣言した。そんな事言ったら、避けろって注意してるようなものなのにーーー彼らには頭で考えるより、本能で動
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