第81話
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………クーデターね。」
プリネが話した情報にエステルは驚き、ヨシュアとキリカは真剣そうな表情で答えた。
「ああ。奴らは最終的にこの平和なリベールを強大な軍事国家にする事を目標としているそうだ。」
「なるほど………それを聞いたらようやく事件の全貌が見えて来たね。」
リフィアの説明にヨシュアは頷いた。
「強大な軍事国家にする……。それって具体的にはどうするの?」
軍事国家になる事がどうなる事かあまり理解できていないエステルは首を傾げて尋ねた。そして政治に詳しいリフィアやプリネが静かに語った。
「……大体予想できる。税率を上げて軍事費を拡大したり、大規模な徴兵制を採用する。……他にはリベールは導力技術が盛んだから大量破壊を目的とした導力兵器を開発するというのもあるな。」
「後は大量の傭兵達との契約を合法化する……ですね。確かリベールでは傭兵集団――猟兵団との契約を認めていないんですよね?」
「そ、そんな……」
「確かに全て考えられそうな事ね……」
リフィアとプリネの説明を聞き、エステルは信じられない表情になり、キリカは考え込んだ。
「リフィア。気になったんだけど、それほどの情報をどうやって彼らの口を割らせたんだい?今までの彼らの行動や言動を考えると尋問程度で話さないと思うんだけど……」
ヨシュアはリフィア達が情報部にとって機密情報ともなる情報を手に入れた方法が気になり、尋ねた。
「聞いたら後悔するかもしれないぞ?それでもいいのか?」
「うん、大丈夫。」
「あたしだって大丈夫よ!」
リフィアに尋ねられ、ヨシュアやエステルは力強く頷いた。
「奴らから情報を手に入れた方法だが………………拷問だ。」
「ご、拷問…………」
「………………それもただの拷問ではありません。四肢を潰し、眠る事を許さず、死ぬ事も許さない………まさに地獄に堕ちた者達が辿るような拷問です。」
リフィアの答えを聞いてエステルは信じられない表情で驚き、プリネはエステルの表情を見て辛そうな表情をした後、続きを言った。
「………それでルーアンの特務兵達はどうなったんだい?」
なんとなく答えがわかっているヨシュアはルーアンと対峙した特務兵達の末路を尋ねた。
「………奴らは情報を吐いた後、処刑したそうだ。放火や強盗に加えて一般市民への襲撃………余達、皇族にとっても見過ごせない事ばかりだったからな。」
「そう………なんだ。………あれだけの犯罪を犯したんだから、罪は償うべきだとは思ったけど………」
「エステル…………」
複雑そうな表情になったエステルを見て、ヨシュアは掛ける言葉がなかった。
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