第81話
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博士を奪還した翌日、エステル達はギルドにマードックやリフィア達、キリカに報告していた。
〜遊撃士協会・ツァイス支部〜
「そうか……。博士を無事救出してくれたか。演算器も取り戻してくれたし、何とお礼を言ったらいいのか……。ありがとう。エステル君、ヨシュア君。」
「うーん、あたしたちは大したことしてないんだけど。どちらかというと、アガットの手伝いをしただけだし。」
「お礼なら、博士たちを守っているアガットさんに言ってあげて下さい。」
「もちろん、彼にも感謝してるさ。無事、軍の捜索から逃げ切れるといいんだが……」
マードックは特務兵達の捜索から隠れ続けているアガット達を心配した。
「今はアガットを信じるしかないでしょう。しかし、どうやらリシャール大佐は王都で何かをするつもりのようね。『ゴスペル』と呼ばれる漆黒のオーブメントを使って。」
「「………………」」
(まあ、お兄ちゃんからあんな事を聞かされたら2人があんな表情をしても仕方ないか……。)
キリカの推測の答えをある程度知っているリフィア達は真剣な表情で黙っていた。同じように事情を知っているエヴリーヌはその様子を見て、納得した。
「うん、どういう用途で使うのかは分からないけど……。その事を女王様に伝えるように博士から頼まれちゃったのよね。」
「ううむ、まさかそこで陛下の名前が出てくるとは……。確かに博士は、女王陛下と個人的な親交があったはずだ。王国の機密に関することを知っていてもおかしくはない。」
エステルの説明を聞いたマードックは唸りながら、答えた。
「そういう事情で、博士から正式に依頼を受けたんですが……。キリカさん、現状で僕たちが王都に行っても大丈夫ですか?」
「要塞に潜入したのがあなたたちである証拠はないから、今のところ問題はないでしょう。むしろ、追及される前に王都に向かった方がいいわね。少なくとも、中央工房に査察が入る可能性はありそうだわ。」
「確かに……。今のうちに対策を立てなくては。エステル君、ヨシュア君。どうか気を付けて出発してくれ。博士の依頼、よろしくお願いする。」
「うん、任せておいて!必ず女王様に伝えるから。」
「工房長も、どうかお気をつけて。」
「ああ、みすみす軍の連中に尻尾をつかませるヘマはせんさ。それでは失礼するよ。」
そしてマードックは今後の対策を立てるために、エステル達にお礼を言った後中央工房に向かった。
「さてと…………昨日、受付の通信を使って大使館と通信したようだけど………その内容を私達にも教えてくれないかしら?多分、リシャール大佐達が何をしようとするのかメンフィル大使から何か聞いているんじゃない
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