第80話(3章終了)
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「ティータ……。しばらくのお別れだね。」
「ごめんね……。付いててあげられなくて。」
エステルとヨシュアは名残惜しそうな表情で答えた。
「そ、そんなぁ。あやまる事なんてないよう。わたし、お姉ちゃんたちに助けられてばっかりいて……。すごく仲良くしてくれて、妹みたいに扱ってくれて……ミントちゃんやツーヤちゃんとも友達になれて。……うう……えうっ……」
「ティータ……」
別れに耐えられず泣きだしたティータをエステルは痛ましそうな表情で見た。
「お、おじいちゃんのこと助けてくれてありがとう……。うくっ、それから……仲良くしてくれてありがとう……。……2人とも……大好きだよ……ミントちゃんやツーヤちゃんにも2人の事は離れていても大好きだって、伝えてね………」
ティータは思わずエステルに抱きついた。
「君と一緒にいられて僕たちも嬉しかった……。こちらこそありがとう。」
「うん……絶対伝えておくね……」
「…………あなたの願い、承りましたわ。あの黒髪の幼子にあなたの思い、必ず伝えておきますわ。」
ティータの言葉にヨシュアは笑顔で答え、抱きついたティータの頭をエステルは優しく撫でて答え、フィニリィは静かに答えた。
「………………………………。名残惜しいだろうが、そのくらいにしておきな。涙なんざ、また会えた時に取っておきゃいいだろう?」
「グス……もう……デリカシーがないんだから……。」
アガットの言葉に呆れたエステルはティータと離れた後、アガットを見た。
「でも……あんたともしばらくお別れね。色々あったけど、一緒に仕事してすっごく良い経験になったわ。ありがとね、アガット先輩。」
「ぞわわ……。気色悪い呼び方すんじゃねえ!」
エステルからありえない呼ばれ方をしたアガットは鳥肌が立った。
「あはは、照れてやんの♪」
自分をからかったエステルにアガットは溜息をついた後、ヨシュアに言った。
「ったく……。さすがはオッサンの娘だぜ。ヨシュア、その跳ねっ返りが暴走しないように気をつけとけよ。武術や魔術だけは一人前だが、それ以外はどうも不安だからな。」
「フンだ、よけーなお世話。」
「ええ、任せてください。アガットさんも気をつけて。博士とティータのこと、どうかよろしくお願いします」
「おお、任せておきな。それじゃあ……俺たちは先に行くぜ!」
「さらばじゃ!カシウスの子供たちよ。」
「げ、元気でねっ!お姉ちゃん、お兄ちゃん!」
「うん!ティータたちも!」
「女神達の加護を!くれぐれも気を付けて!」
「この私が手を貸したのですから、必ず逃げ切るのですよ!」
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