第79話
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その後中庭に出て、波止場から脱出しようとしたエステル達だったが、気絶しきっていない特務兵の最後のあがきで警報が鳴らされ、
兵士達が厳戒態勢に見回りを始めたので、波止場に行くのを諦めて兵士達に見つからないように移動して、司令部に逃げ込んだ後地下に脱出路がないか探すために、地下へ続く階段に降りた。
〜レイストン要塞・司令部・地下一階〜
そこは牢屋となっており、またボースを騒がせた空賊――カプア一家が牢屋の中にいた。
「ね、ねえ……。なんだか外、騒がしくない?」
「あー、なんでも侵入者があったらしいな。」
ジョゼットは外の様子に不安そうな表情をした。不安そうな表情をしているジョゼットにキールは他人事のように説明した。
「なにィ、侵入者だと……。こうしちゃいられねえ!このスキに何とか脱出して……」
「兄貴、カンベンしてくれよ。そんな簡単に脱獄できるわけ……」
現在の状況に目が光ったドルンにキールは溜息をついた。その時牢獄にエステル達が姿を現した。
「ここは……。どうやら地下牢みたいだね。」
「へえ、ハーケン門の地下牢と比べると規模が大きいわね……」
地下に降りて、地下牢である事を理解したヨシュアやエステルは牢獄の広さに驚いた。そしてエステルがさらに歩みを進めると牢屋の中に入っているジョゼットと対面した。
「あれ……」
「あ。」
「「ああああああっ!?」」
エステルとジョゼットは同時に声を上げて、驚いた。
「お、お前たちは!?」
「あの時のガキどもか!?」
エステル達に気付いたキールとドルンは驚いた表情になった。
「なんというか……。お久しぶりですね。」
ドルン達にヨシュアは苦笑しながら、久しぶりの再会の言葉を言った。
「そっか、あんたたち、ここに捕まっていたんだ。………………………………。えっと、その、元気してる?」
エステルは哀れみの目でジョゼット達を見て、尋ねた。
「こ、こらあ!哀れみの目でボクを見るな!棒振り回すことしか能がないノーテンキ女のくせにっ!」
「ゴメン……。何言われても平気かも。それで気が済むんなら好きなだけ罵っていーわよ。」
「む、むっか〜!なに余裕かましてんだよっ!」
「おいおい、この連中、お前たちの知り合いかよ?」
ジョゼットは罵られても怒らないエステルに声を荒げて言った。アガットはジョゼット達と知り合いのように会話しているエステル達に驚いた後、ヨシュアに尋ねた。
「カプア空賊団……。定期船を奪った犯人です。」
「ほう、噂の連中か。かなり高性能な飛行艇を使っていたそうじゃの?帝国製と聞い
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