第78話
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なくじゃが見えてきたわい。」
「ほう……」
博士の言葉にリシャールは驚いて目を見開いた。そこにロランス少尉が部屋に入って来た。
「……失礼する。」
「あら少尉。大佐は博士とご歓談中なの。邪魔するものではなくってよ。」
「いや、構わんよ。ロランス君、報告したまえ。」
「王都で動きがありました。大佐の読み通り、白き翼が網にかかった模様です。」
「それはそれは……」
「フフ……。これでチェックメイトだな。それでは博士。我々はこれで失礼します。シード少佐。博士が不自由のないように気を配ってくれたまえ。」
「は……了解しました。」
ロランスの報告にカノーネは不敵な笑みを浮かべた。カノーネと同じように不敵な笑みを浮かべたリシャールはシードに指示した後、カノーネやロランスと共に部屋を出て行った。
「ラッセル博士……何か入用のものはありますか。大抵のものなら揃えさせますが。」
「ふん、結構じゃ。お前さんは、連中と違って骨のある男と思っておったが……。どうやらわしの買いかぶりだったようじゃの。」
シードに尋ねられた博士は鼻をならして、皮肉を言った。
「……恐縮です。博士は、ある反逆者によって誘拐されたことになっています。それを踏まえて頂ければお孫さんへの手紙など届けさせていただきますが……」
「早くわしの前から消えろ!」
皮肉を言われても気にせず、淡々と言うシードの言葉に頭が来た博士は怒鳴った。
「……失礼します。」
そしてシードも研究棟から出て行った。
「リシャール大佐……あの人が黒幕だったんだ。しかも父さんのことを捜しているみたいだけど……」
「ああ……どういうことなんだろう。それに、あの仮面の男……」
全ての黒幕がリシャールだった事にエステルは驚き、ヨシュアはロランス少尉を凝視していた。
「あの野郎……やっぱり出やがったか。むっ、行くみたいだな……」
ロランスが現れた事にアガットは表情を険しくした後、ロランス達が飛行艇に乗る事に気付いた。
「フッ……うまく切り抜けられるかな。」
ロランスは独り言を呟いた後飛行艇に乗り込んだ。そしてリシャール達を乗せた飛行艇は飛び去った。
「よし……一気に人気がなくなったな。ヤツとは決着を付けたかったが、まあいい、仕事の方が優先だ。」
飛び去った飛行艇を見送ったアガットはエステル達に博士の奪還を開始する事を言った。
「窓から入れない以上、見張りを倒すしかないわね。速攻でケリをつけましょ!」
「う、うんっ!」
「フフ、この私がいるのですから、すぐに終わらせてあげますわ
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