第76話
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た。
「ああ、寝すぎたせいか、身体がなまってしかたねえ。とにかく思いっきり身体を動かしたい気分だぜ。
「で、でも無理しちゃダメですよぉ……毒が抜けたばかりだからしばらく安静にって先生が……」
「だ〜から、大丈夫だって何べんも言ってるだろうが。鍛え方が違うんだよ、鍛え方が。」
「う〜………」
ティータの心配をアガットは一蹴したがそれを聞いたティータは泣きそうになり、それを見たアガットは慌てた。
「う……わかった、わかったっての!本調子に戻るまでは無茶しなきゃいいんだろ?」
「えへへ……はいっ。」
アガットの言葉にティータは笑顔になった。
「ったく……これだからガキってのは……」
「あはは、さすがのアンタもティータには形なしみたいね。」
「アガットさんからなんとなく優しい雰囲気が漂っているよ。アガットさんをこんな風にするなんて、ティ―タちゃん、凄いね!」
「ずっと付きっきりで看病してもらった身としてはしばらく頭が上がりませんね。」
「「クスクス……」」
「プックククク………」
「キャハハハ………」
2人の様子を見て、エステルやヨシュアはからかい、ミントはアガットの雰囲気が変わった理由にティータが関係していると思いティータを尊敬するような眼差しで見、プリネやツーヤ、リフィアとエヴリーヌはティータに弱くなったアガットを見て思わず笑った。
「あ〜もう、うるせえなっ。それより俺がくたばってた時に色々と動きがあったみたいだな。聞かせてもらおうじゃねえか。」
そしてエステル達は博士がレイストン要塞にとらわれていることを2人に言った。
「お、おじいちゃんがそんな所にいるなんて……」
「しかも、あの黒装束どもが軍関係者だったとはな……フン、正体が判ってすっきりしたぜ。キッチリ落とし前を付けさせてもらうことにするか。」
「落とし前っていうと?」
アガットの言葉にエステルが反応して聞いた。
「決まってるだろう。レイストン要塞に忍び込む。博士を解放して奴らに一泡吹かせてやるのさ。」
「あ、な〜るほど。それが一番手っ取り早そうね。」
アガットの提案にエステルは納得した。
「そう簡単にはいかないわ。」
エステル達の会話を聞いてキリカが割り込んだ。
「へっ?」
「ギルドの決まりとして各国の軍隊には不干渉の原則があるわ。協会規約第3項。『国家権力に対する不干渉』……『遊撃士協会は、国家主権及びそれが認めた公的機関に対して捜査権・逮捕権を公使できない。』……つまり、軍がシラを切る陰り、こちらに手を出す権利はないの。」
「チッ、そいつがあったか……」
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