外伝〜夕陽の約束〜
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ルを見つめた。
「えへへ……な、何だか照れるわね。」
「うん……そうだね」
「あ……そうだ!これ、返すからね」
そしてエステルは空中庭園で渡されたハーモニカを取り出し、ヨシュアに渡した。
「あ……」
「まったくもう……お姉さんの形見なんでしょ?簡単に人に渡すんじゃないわよ。」
「うん……。確かに軽率だったかな。」
呆れた表情で溜息を吐いて語ったエステルの言葉にヨシュアは頷いた。
「お姉さんって……どんな人だったの?」
「うん……そうだな……。気立てが良くて優しいけどどこか凛としていて……レーヴェとすごくお似合いで子供心に少し妬いていたよ。」
「気立てが良くて優しくて凛としたタイプ……。それって……クローゼみたいな感じ?」
「はは……そうだね。顔立ちとかは違うけれどタイプは似ているかもしれない。」
「………………………………」
「……エステル?」
カリンの話を聞いてふと黙り込んだエステルが気になったヨシュアは不思議そうな表情で訊ねた。
「な、何でもないっ!……言っとくけど、クローゼも、他のみんなもすごく心配してたんだからね。帰ったらちゃんと謝りなさいよ。」
ヨシュアの呼びかけによって我に返ったエステルは慌てた様子で答えた。
「戻る資格がないとか言ったって聞かないからね?教授のスパイをしたって言っても無意識のうちなんでしょ?空賊艇の奪還事件だって潜入捜査の一環みたいなもんだし。”結社”の計画についての情報を父さんにでも話したらチャラよ。いわゆる司法取引ってやつ?」
「ちょっと違うと思うけど……」
エステルの話を聞いたヨシュアは呆れた表情で溜息を吐いた。
「それに”結社”を止めるにしたって、もうあの船に潜入するのは無理よね?だったらあたしたちと一緒に行動するしかないじゃない。」
「……そもそも君が掠われなければ予定通り”グロリアス”を爆破できたんだけどな……」
「うぐっ……悪かったわね。って、爆破なんて物騒なこと言わないでよ。いくら”結社”だからって皆殺しにするつもりだったの?」
ヨシュアの指摘に言葉を詰まらせたエステルは不安そうな表情で尋ねた。
「……そうでもしないと教授やレーヴェは倒せないからね。まあ、爆破したところで倒せる可能性は低かったけど……」
「はあ、まったくもう……。あたし、やっぱり捕まってよかったかも。あやうくヨシュアにとんでもないことをさせるとこだったわ。」
「ハハ……」
別れた頃から全く性格が変わっていないエステルをヨシュアは微笑ましそうに見つめていた。
「あーっ、今あたしのこと『また甘っちょろいこと言
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