第74話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
……ごめ……ごめ……ん……なさ……ふえ……うえええん……」
さらに泣きだしたティータを見てエステルやミントはアガットに詰め寄った。
「ちょ、ちょっと!どうしてそんな酷いこと言うの!」
「そうだよ!ティータちゃん、家族が攫われて凄く悲しんでいるのに今の言葉は酷いよ!」
2人に詰め寄られたアガットは冷静に答えた。
「だから言ってるんだ。おい……チビ。泣いたままでいいから聞け。」
「うぐ……ひっく……?」
「お前、このままでいいのか?爺さんのことを助けないで諦めちまうのか?」
「うううううっ……」
アガットの言葉を否定するようにティータは泣きながら首を横に振った。
「だったら腑抜けてないでシャキッとしろ。泣いてもいい。喚いてもいい。まずは自分の足で立ち上がれ。てめえの面倒も見られねえヤツが人助けなんざできるわけねえだろ?」
「……あ……」
アガットの言葉にティータは泣き止んだ。
「それが出来ねえなら二度と俺達の邪魔をせず、ガキらしく家に帰ってメソメソするんだな。……フン、俺はその方が楽なんだがな……」
「ティータ……」
「「ティータちゃん……」」
「…………大丈夫だよ……お姉ちゃん、ミントちゃん、ツーヤちゃん……わたし、ひとりで立てるから……」
ティータは完全に泣き止み自分で立った。それを見てアガットは笑みを浮かべた。
「へっ……やれば出来るじゃねえか。」
「本当に……ごめんなさい。わ、わたしのせいであの人達に逃げられちゃって……ミントちゃんツーヤちゃんも私の我儘につきあわせて、ごめんなさい……」
ティータはその場にいる全員に謝った。
「バカ……謝ることなんてないわよ。」
「うん。ティータが無事でよかった。」
「ミントとツーヤちゃんはお友達のお願いを聞いただけだよ。だから謝らないで。」
「うん。それよりアガットさんに叩かれた頬は痛くない?痛いのなら治癒魔術をかけるけど。」
「大丈夫だよ、ツーヤちゃん……それよりありがとう……お姉ちゃん、お兄ちゃん、ミントちゃん、ツーヤちゃん。」
4人の言葉にティータは笑顔になった。そしてアガットにおどおどしながらも話した。
「あ、あの……アガットさん……」
「なんだ?文句なら受つけねえぞ?」
「えと……あ、ありがとーございます。危ない所を助けてくれて……」
ティータはアガットにお辞儀をした。
「それから……励ましてくれてありがとう……」
「は、励ましたわけじゃねえ!メソメソしてるガキに活を入れてやっただけだ!」
アガットはティータの言葉に焦った。それを見てティータは笑顔を見せた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ