第73話
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〜ツァイス市内〜
一方プリネ達はエルモ村までの護衛を依頼した依頼者と待ち合わせをしている場所に向かった。そこには誰かを待っているように、時計を何度も見ている男性がいた。その男性が依頼者だと思い、プリネ達は男性に話しかけた。
「すみません、遊撃士協会の者ですが貴方が依頼者という事でよろしいでしょうか?」
「はい!すみません、急な依頼を出してしまって……」
男性は帯剣をしているプリネを見て、遊撃士と思い、表情を明るくした。
(…………ん?……この顔………どこかで見た事があるぞ……?)
リフィアは男性の顔を見て首を傾げた。
「いいえ、気にしないで下さい。それでエルモ村までの護衛を依頼したとの事ですが……」
「はい。私はクロスベルで商業を営んでいる者なのですが今、リベールには家族旅行を来ていまして、ツァイス市の観光名所の一つとしてエルモ村の温泉に行きたくて……こちらはクロスベルのようにバスがありませんでしたから、
どうやって街道を越えてエルモ村に行こうか悩んで遊撃士協会に相談したら、受付の方が村までの護衛も仕事の一つとして請け負って下さるという事で依頼を出させていただきました。」
「そうなのですか……家族を大切になされて、家族の方達も幸せですね。」
「ハハ……ただ………私にはそんな事を言われる資格なんてないのです。」
プリネに褒められた男性は苦笑した後、一瞬表情を暗くした。
「え?」
男性の言葉にプリネは首を傾げた。
「おっと!今のは独り言ですから気にしないで下さい。」
「はぁ………」
慌てて言い訳をする男性の事をプリネは不思議に思った。
「それで?家族の人達はどこにいるの?」
「はい。今は別の所で待ってもらっていますので連れてきます。それで申し訳ないのですが、エルモ村方面に向かう出口で待っててもらっていいでしょうか?」
エヴリーヌの疑問に男性は申し訳なさそうな表情で尋ね返した。
「わかりました。そう言えば自己紹介がまだでしたね。プリネと申します。よろしくお願いします。」
「余はプリネの姉のリフィアだ。」
「……私、エヴリーヌ。」
「これはご丁寧に。私はハロルド・ヘイワースという者です。それでは家族を連れてまいりますので、出口で待ってて下さい。」
「はい、わかりました。(ヘイワース?聞き覚えのある名前ですね?……どこで聞いたのでしょう?」
「!!」
男性――ハロルドが名乗るとプリネは聞き覚えのある名前に心の中で首を傾げ、リフィアは声に出さず、驚いた。そしてハロルドはプリネ達の元から一端去った。
「リフィア、どうしたの?出口の方に行くよ?」
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