第71話
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表情で家族の事を語ったティータにエステルは驚き、ヨシュアは尋ねた。
「博士のご息女……確か、エリカ・ラッセルだったか。夫のダン・ラッセル共々導力技術者で他国でオーブメントの普及していない村や町で技術指導をしていると博士から聞いた事があるが、今でもそうなのか?」
「あ、はい。だから、もう何年もツァイスに戻って来てないんです……」
ラッセル博士から家族の事を聞き、ティータの両親の事を覚えていたリフィアはティータに確認し、それに頷いたティータは寂びそうな表情で頷いた。
「そうだったんだ……」
「それは……寂しいね。」
「ティータちゃん………」
「ティータちゃん、寂しくないの?」
あまり両親といっしょにいた事がない事を知ったエステルやヨシュア、ツーヤは気不味そうな表情で見て、ミントは尋ねた。
「そんなこと、ないよ。おじいちゃんがいてくれるから。中央工房の人たちもみんな親切でいい人ばかりだし。でも……エステルさん達を見ているとちょっとうらやましいなぁって……。えへへ、こういうのって無いものねだりって言うんですよね。」
「エヴリーヌはなんとなくティータの気持ち、わかるよ。リウイお兄ちゃんがエヴリーヌを引き取ってくれるまで、ほとんど一人ぼっちで凄く寂しかったから……」
「エヴリーヌお姉様……」
ティータの気持ちに同意したエヴリーヌをプリネは何故血も繋がっていない自分を妹として可愛がってくれるエヴリーヌの気持ちがなんとなくわかり、見つめていた。
「ティータちゃん……」
笑顔の中に隠されている悲しみに気付いたヨシュアは何も言えなかった。
「……………………………………。いいこと思い付いちゃった。」
一方黙って考えていたエステルは口を開いた。
「え……」
「エステル?」
「あたしが、ティータちゃんのお姉さんになってあげるわ!ちなみにヨシュアはお兄さん。」
「ふえっ!?」
「わあ……!」
「はあ……また突拍子もないことを……」
エステルの提案にティータは驚き、ミントは顔を輝かせ、ヨシュアは呆れて溜息をついた。
「なによう、文句でもあるの?」
「いや……エステルらしいと思ってね。僕も異存はないよ。ティータちゃんさえよければね。」
自分の提案に反論がありそうな事に気付いたエステルの睨みにヨシュアは微笑ましそうな表情で首を横に振ってティータに確認した。
「……あ………。あ、ありがとう……エステルさん、ヨシュアさん。わたし、わたし……なんだかすっごく嬉しいですっ!」
「よかったね、ティータちゃん。」
尋ねられたティータは顔を輝かせ、最高の笑顔でお礼を言った。ツ
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