外伝〜精霊の姫君と闇の姫君の契約〜
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ッ!」
素早く魔獣の懐に入って魔獣の攻撃を回避したツーヤは刀を片手に持ち、もう一方の籠手のしている手で魔獣の腹の部分らしき場所を攻撃した。
「!?」
クラフト――延髄砕きを受けた魔獣は腹に入った一撃のせいで身体が痺れた。さらにツーヤは片手に持っていた刀を両手に持ち、闘気を込めたクラフトを放った。
「斬!」
闘気が籠った斬撃のクラフト――十六夜”斬”を受けた魔獣は尻尾の部分と身体が分かれた。さらにツーヤは一気に勝負を決めるために一端後退して片手を空へ掲げて叫んだ。
「決めます……!凍れ!」
ツーヤが片手を空へ掲げると、魔獣の周りに吹雪が吹き荒れ、吹雪によってできた氷が魔獣を氷の中に閉じ込めた。そしてツーヤは刀で氷の中に閉じ込めている魔獣を氷ごと砕くように激しい攻撃を行った!
「ハァァァァァァッ……!ダイヤモンド……バーグ!!」
氷の中に閉じ込められていた魔獣はツーヤの滅多斬りによって消滅した。
「勝てました……!」
魔獣の消滅を見て、ツーヤは刀を鞘に収めて自分一人で勝てた嬉しさをかみしめた。
「終わったようね。」
「ご主人様。」
戦闘が終わり、近付いて来たプリネにツーヤは嬉しそうな顔で駆け寄った。
「もう……無茶はしないといったのに、いきなりこんな事をするなんて……」
「ごめんなさい……でも、あたし……」
呆れているように聞こえたプリネの声にツーヤは気不味そうな表情で口ごもった。
「フゥ……まあいいわ。私にもあなたの気持がわかるし、今回は多めに見てあげましょう。」
「ありがとうございます。」
「でも、もうさっきみたいな無茶は許しませんからね?」
「はい。」
プリネに許してもらえたツーヤはホッとした後、プリネの注意に頷いた。
「ハァ……ハァ……私を狙う無礼者達を成敗した事は感謝します、闇夜の眷属達よ。」
そこに息絶え絶えな妖精がフラフラと飛んできて、プリネ達の前に来た。
「あの……顔色が悪いようですが、やはり魔力が?」
「……ええ。今は……こうやって飛んでいるだけが……精一杯なのですわ……!」
プリネの言葉に妖精は顔色を悪くしながら悔しそうな表情で答えた。
「待ってて下さい。今、魔力を分けます。」
そしてプリネは自分の魔力を妖精に分け与えた。魔力が回復した妖精は顔色がよくなり、プリネにお礼を言った。
「………まさかこの私が闇夜の眷属から施しを受けるとは思わなかったわ……礼を言っておきますわ。私はフィニリィ。精霊の中でも王族に値するこの私が感謝しているのです。光栄に思いなさい。」
魔力が回復して元気が戻った妖精――フィニリィ
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