暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
第61話
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
メルの惨劇』の真相だ。」

「………………………………(そっか……だからイオンさんやステラさん達はあたし達に話せなかったんだ……)」

”ハーメル”の真実を知ったエステルは悲しそうな表情で黙り込んでいた。

「そんな日々の中……ヨシュアの心は完全に壊れた。姉の死、親の死、隣人の死、初めて人の命を奪ったショック、そして欺瞞に満ちた世の中……。6歳の子どもの心が壊れるには充分すぎるほどの出来事だった。」

「………………………………」

「多分、その先のことはヨシュアから聞いているだろう。心が壊れたヨシュアはハーモニカ以外に興味を無くし、次第に痩せ衰えていった。そんなヨシュアと俺の前にあのワイスマンが現れて……。俺は彼にヨシュアを預けて”身喰らう蛇”に身を投じた。そしてその2年後……。教授に調整されたヨシュアも俺と同じ道を辿ることになった。」

「………………………………」

「―――これが闇だ。エステル・ブライト。お前とヨシュアの間にどんな断絶があるのか……ようやく理解できたか?」

「………………………………。……うん。やっと、ヨシュアが居なくなった本当の理由が見えてきた気がする。」

レーヴェの話を全て聞き終えたエステルは静かに答え

「なに……?」

一方エステルから予想外の答えが返って来た事に驚いたレーヴェは驚きの表情でエステルを見た。



「―――教授の誘いは今ここで断らせてもらうわ。あたしは絶対に”身喰らう蛇”には入らない。”結社”が好きか嫌いかそういうのとは関係なく……あたしがヨシュアを追い続ける限り、絶対にね。」

「………………………………フッ……おかしな娘だ。今の話を聞いて逆に迷いを吹っ切るとはな。どうやら、ただ”剣聖”の娘というわけでは無さそうだ。」

決意の表情で自分を見つめるエステルの目を見たレーヴェは黙り込んだ後、口元に笑みを浮かべて、エステルに感心した。



「そ、そう?よく分からないけど……。そういうあなたこそ、ただヨシュアの昔の仲間ってだけじゃなかったわけね。お兄さん的な存在だったんだ。」

「………………………………。誤解のないように言っておくが俺があいつの兄代わりだったのは10年前までだ。今の俺にとって、あいつは排除すべき危険分子に過ぎない。」

「え……」

「教授はヨシュアを泳がせて楽しんでいるようだが……。俺の考えは教授とは異なる。いずれ近いうちに俺自身の手で始末するつもりだ。」

「ちょ、ちょっと!どーしてそうなるのよ!?カリンさんに……ヨシュアのお姉さんに頼まれたんでしょっ!?」

「俺は俺の、選んだ道がある。その道を遮るものは如何なるものも斬ると決めた。たとえそれがカリンの願いであっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ