第60話
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にかけるのは研究者として当然とは思わないかね?」
「………………………………。……あの生誕祭の時、ヨシュアに何を言ったわけ?」
「封じた記憶を解除して真実を教えてあげただけだよ。君の家に引き取られた彼が無意識のうちにスパイとして”結社”に情報を送っていたこと……。そして、彼の情報のおかげでリシャール大佐のクーデターが成功し、我々の計画の準備が整った事をね。そのご褒美として、改めて”結社”から解放してあげたんだ。」
「………………………………。……やっと分かった……。ヨシュアがどうして……あの夜……姿を消したのか……。どうしてあんな顔で……さよならって言ったのか……」
ワイスマンの話を聞いて全てを察したエステルは頭をうつむかせて身体を震わせながら、静かに呟いた。
「いや、それについてはさすがに遺憾に思っているよ。自分を取り戻したヨシュアが君たちの前から姿を消すとはね。そのまま素知らぬ顔で君たちと暮らしていくといいと勧めておいたのだが……。フフ、親切心が仇になったかな?」
「よくも……そんな事が言えるわね……。そんな道を選ぶしかないようヨシュアを追い詰めたくせに……。あんな顔をして……ハーモニカをあたしに渡して……。さよなら……エステルって……」
そしてエステルはワイスマンを睨んで、棒を構え、そして――――
「全部、全部ッ!あんたのせいじゃないかああ!」
エステルは叫びながらワイスマンに襲いかかって攻撃しようとした!
「…………………」
「あうっ……」
しかしレーヴェが突如ワイスマンの前に現れて、剣を振るってエステルを吹っ飛ばした!
「”剣帝”レーヴェ……。い、一体どこから現れたの……」
「……最初からここにいた。お前が気付かなかっただけだ。」
信じられない表情で尋ねるエステルにレーヴェは静かに答えた。
「やれやれ……何とも品のない振る舞いだ。」
さらに聞き覚えのある声がした。すると、”怪盗紳士”ブルブラン、”痩せ狼”ヴァルター、”幻惑の鈴”ルシオラがエステルの目の前に現れた!
「クカカ、そう言うなよ。”白面”に殴りかかれるなんざ並の度胸じゃできねえはずだぜ。」
「ふふ、腕はともかく度胸だけは大したものね。それとも鈍いだけなのかしら。」
「あ……う……」
”執行者”達が一斉に現れた事にエステルは思わず、後ずさりした。
「フフ、そう言えば”執行者”としておチビちゃんと会うのはこれが初対面だったわね。『執行者』No.Y。『幻惑の鈴』ルシオラ。今はそう呼ばれてるわ。」
「貴女が………シェラ姉から聞いてはいたけど、どうしてあの時の占いのお姉さんが……」
ルシオラが名乗るとエステルは
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