第60話
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…あんただったわけね。」
目の前にいる人物が全ての黒幕である事に気付いたエステルは真剣な表情で尋ねた。
「その通り―――全ては”福音計画”のため。」
「『福音計画』……。あの研究所のデータベースにもそんな項目があったけど……。要するに”輝く環”を手に入れる計画ってわけ?」
「手に入れるというのはいささか誤った表現だが……まあ、そう思ってもらっても構わないだろう。」
「”輝く環”って何?女神の至宝って言われているけど具体的にはどういうものなの?」
「”輝く環”の正体に関しては現時点では秘密にさせてもらおう。せっかくの驚きを台無しにしたくはないからね。」
「驚きって……」
ワイスマンの答えを聞いたエステルは呆れた表情をした。
「計画も第3段階に移行した。もう少しで、その正体は万人に遍く知れ渡ることになる。フフ……その時が楽しみだよ。」
「………………………………」
「そして”環”が現れたその時……我々は、人の可能性をこの目で確かめる事ができる。」
「人の可能性……。”レグナート”もそんな事を言っていたような……」
「ほう、あの聖獣からそこまでの言葉を授かったか。ふむ、あながちお父上の七光りだけではないようだね。」
エステルの話を聞いたワイスマンは感心した表情でエステルを見た。
「お世辞は結構よ。何よ……色々質問したってはぐらかしてばかりじゃない。」
「これは失礼……そんなつもりじゃなかったのだが。だが、君が一番聞きたい質問にははっきり答えられると思うよ。」
「………………………………」
「おや、何をそんなにためらっているのかな?恐れることはない。勇気をもって訊ねてみたまえ。」
「………………………………。ヨシュアは……どこにいるの?」
ワイスマンに促されたエステルはヨシュアが既に”結社”に戻っているかもしれないという可能性に不安を感じつつ尋ねた。
「フフ……それは私にも分からない。どうやら空賊たちと一緒に何かを画策しているようだが……。いまいち動きが掴めなくてね。今のところ、生きているのは間違いないだろう。」
「そ、そうなんだ……」
「ヨシュアの能力は、隠密活動と対集団戦に特化されている。そのように調整したのは私だが予想以上の仕上がりだったようだ。フフ……どこまで頑張ってくれるか楽しみだよ。」
「あんた……」
楽しそうに語るワイスマンをエステルは睨んだ。
「ああ、そんなに怖い顔をしないでくれたまえ。私の元に預けられた時、ヨシュアの心は崩壊していた。そんな心を再構築するなど私にも初めての試みだったのだ。その成果を気
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