第9話『素質』
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きた。
放置されていたのか、随分と埃を被っている。
「何ですか、これは?」
「魔力測定器だ! 正確にはその人に眠る、魔術の素質を計る物だ!」
「……」
シュール過ぎるよ。いきなり目の前に出された物が魔力を計るって…やっぱシュール過ぎる!
驚く俺をそっちのけにし、床にドンと測定器を置く部長。それは地球儀のような形をしており、中央には黒い水晶の様な物が付いていた。
「これってどう使うんですか?」
俺は安直な質問をする。
正直胡散臭いが、もしかしたら俺には魔力があるってわかるのでは、と期待もしている。
「ここに手をかざすだけでいい」
「はい」
部長に言われた通り、測定器の丁度真上の位置に手を配置する。それだけでは、まだ何の変化もない。
「目を瞑って集中して」
「え…はい」
集中…か。
さっきまで散々部長が言っていたことだ。
集中…集中…。
何が起こるのだろうか。どうやって測定するのか。色々な疑問が俺の頭を飛び交う中、俺の手が何かを感じた。
「部長…この測定器、何か動いてません?」
「あぁ動いてるよ。測定中だ。まだ集中していてくれ」
「はい…」
どんな感じに動いているんだろう。なんか手に僅かだが風を感じる。
すると音も鳴りだした。キュイィィィンという機械音だ。
「……」
「……」
無言の時間が続く。
俺が喋れば集中が途切れるし、部長が喋っても集中は途切れる。こんな状況なんだろうが、正直気まずいな何か。早く終わってくれ…。
「あと10秒くらいな…」
「はい…」
閉じた目の隙間からふと光が見えた。発光でもしているのだろうか? だが確認する訳にはいかないので、瞑ったまんまにしとこう。
あと5…4…3…2…1…0。
音が止んだ。
「よし目を開けて良いぞ」
俺はゆっくりと目を開け、測定器を注視する。
するとさっきまで黒かった水晶が、青く輝いていた。まるで小さな星の様に。
「部長、これどうなんですか?」
「……」
光ってることに意味があるのか、光の色に意味があるのか、何も知らない俺はとりあえず部長に訊く。
だが、部長は答えず、何かを考えてるようだった。
待つのも面倒なのでもう一度声を掛けようかなと思っていると、部長が口を開いた。
「残念だが・・・」
「え…?」
「残念」。部長は今そう言った。
てことは俺に魔力は無かった…?
じゃあ俺はこれからこの部活で何をすれば・・・?
「・・・ってのは嘘で」
「へっ!?」
俺は今までの人生の中でもダントツにマヌケ
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