第55話
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があるのは父親の影響かもしれませんねえ。その”剣聖”とやらがどれ程の腕前かわかりませんが、一人で竜に挑み、生きているんですから、相当の腕前のようですしね。)
「…………………」
シャルティエの推測を聞いていたジューダスはエステルに視線を向けて黙り込んでいた。
(フム……そしてお主は教会の”騎士”か。随分と懐かしい匂いがする。)
「―――アーシア・アークと申します。一身上の都合で”星杯騎士団”から離れ、遊撃士の身となっていますが……女神の眷属たる御身に会え、”星杯騎士”として……空の女神の一信者として光栄です。)
アーシアはその場で会釈をし、レグナートに微笑み
(ほう?”闇”の面も見せる教会の騎士が遊撃士とは、随分と変わり者なのだな?)
「フフ、よく言われます。」
レグナートの念話を聞き、微笑みで答えた。
(そしてそこの紅髪のお主と黒髪のお主………お主達からは”幻の至宝”によく似た気配を感じるな………)
「へっ!?ま、”幻の至宝”!?」
「―――どういう意味だ。」
レグナートに名指しされたルークは戸惑い、ジューダスは目を細めてレグナートを睨んで尋ねたが
(すまぬがこれ以上は言えぬ。”幻の至宝”は我が同胞が行く末を見守っているとは言え、”盟約”により、人の子達には教えられん。)
「言えないんだったら、意味深な事を言うなよな〜。」
「フン、蜥蜴如きがこの僕を試そうとしているのか?」
レグナートの答えを聞いたルークは疲れた表情で溜息を吐き、ジューダスは鼻を鳴らしてレグナートを睨んだ。
「だから喧嘩を売るのは止めなさいってーの。あ、そういえば……。ねえ、”レグナート”。ちょっと聞いてもいいかな?」
ジト目でジューダスに視線を向けて注意したエステルはある事を思い出し、それを聞く為にレグナートに視線を向けた。
(ふむ、なんだ?)
「あなたに”ゴスペル”を付けたのは、あのレーヴェっていう男なのよね?”実験”とか言ってたけど……一体、何の実験だったか分かる?」
(ふむ……誤解を解いておくが。漆黒の機を私に付けたのは、あの銀の剣士ではない。『教授』と呼ばれていた得体の知れぬ力を持つ男だ。)
「ええっ!?」
「なんだと……!?」
竜を操ってボース地方に大きな被害をもたらせた張本人と思われる人物の行動を聞いたエステル達は驚いた。
(銀の剣士は、『教授』の供としてここに現れた。そして私が暴走してからは、被害が大きくなりすぎぬよう様々な手を尽くしたのだ。彼が暴走を押さえなければ私は街や村を破壊し尽くすまで止まらなかったに違いない。)
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