第68話
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〜ラッセル家・夜〜
「コホン……腹も膨れたことじゃし早速始めるとしよう。エステル、例のオーブメントを台の上へ。」
「う、うん……」
博士の言葉でエステルは緊張した顔で黒いオーブメントを測定器の台の上に置いた。
「これでいいの?」
「うむ。ティータや。そちらの用意はどうじゃ?」
博士はオーブメントを確認しティータに用意の状態を聞いた。
「うん、バッチリだよ。」
「よろしい。それでは『黒の導力器』の導力測定波実験を始める。」
「『黒の導力器』?」
「なんか、まんまなネーミングねぇ。」
「全くだ。もう少しいい名はなかったのか?」
博士が勝手につけた名前にエステルやリフィアは呆れた。
「シンプル・イズ・ベストじゃ。とりあえず名前がないのは不便じゃからの。」
「ドキドキ、ワクワク……」
ティータは期待の目で実験を待っていた。
「あーティータったら凄いやる気の目ね。」
「ティータちゃん、凄く輝いているよ。」
「うん。ティータちゃん、凄い楽しそう。」
「あ……てへへ。」
エステルやミント、ツーヤに言われたティータは恥ずかしがった。
「よし、それでは始めるぞ。ティータ。装置の起動を頼む。」
「うんっ!」
ティータが装置の起動を始め、博士も操作をし始めた。
「出力を45%に固定……。各種測定器のスタンバイ開始。」
「了解……………………………………。うんっ。各種測定器、準備完了だよ。」
「さーて、ここからが本番じゃ。入出力が見当たらない以上、中の結晶回路に導力波をぶつけて反応を探るしかないわけじゃが……。そこで、この測定装置の真価が発揮されるというわけじゃ!」
博士は楽しそうに言った。
「ノ、ノリノリねぇ……」
「ええ、ああいう所を見ると興味がある時のリフィアお姉様そっくりですね。」
「おー、さすがプリネ。わかっているね。」
「むう……」
博士の様子にエステルは苦笑し、プリネやエヴリーヌの言葉に心当たりのあるリフィアは言い返せず唸った。そして実験が始まり順調に進み始めた。
「よしよし、順調じゃ。ティータや、測定器の反応はどうじゃ?」
順調に進んでいると感じた博士はティータに測定器の様子を聞いた。だが、ティータは表情の曇った顔で答えた。
「う、うん……なんだかヘンかも……」
「なぬ?」
「メーターの針がぶるぶる震えちゃって……あっ、ぐるぐる回り始めたよ!」
ティータは慌てた様子で伝えた。
「なんじゃと!?」博士は予想外の答えに声を上げた。
そ
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