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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第62話
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然姉様にも会いに行くのも兄妹の交流として当然かと。」

リィンの答えを聞いたエリスは嬉しそうな表情をした後気を取り直して答えた。



「はは、そうだな。エリゼはリフィア殿下の専属侍女長を務めている関係で忙しいとは思うけど、何とか時間を作ってみるよ。そういえば、それを言いにわざわざこんな時間に来たのか?それにしては問答無用というか有無を言わせない感じだったけど。」

「兄妹の交流の少なさももちろん大問題ですが……私達が今日訪ねた主な理由はとうぜん別にあります。」

「へ?私”達”って……まさかエリゼも来ているのか!?」

「ええ。兄様に会う少し前に姉様から帝都から出ている鉄道に乗ったという連絡を頂きましたから、あと少ししたら姉様もトリスタに到着します。―――それよりどうやら本当に自覚が無かったみたいですね。」

「え。」

自分の説明を聞いて呆けているリィンにエリゼは手紙を取り出してリィンに見せた。



「それは……この前俺が送った手紙か?あ、そうか。ノルド高原に行った時の土産をエリゼと一緒に受け取りに来たのか?一応、現地の可愛らしい装飾品を買ってあるんだが……」

(うふふ♪期待を裏切らない答えね♪)

(ふふふ、ここまで鈍感な方は初めて見ました。)

エリスに対するリィンの答えを聞いたベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ

「ほ、本当ですか!?―――じゃなくて!手紙の最後の部分です!」

エリスは一瞬嬉しそうな表情をした後すぐに気を取り直して手紙の最後の部分をリィンに読むように強制した。



卒業後は軍に戻るだろうし、そうでなくても家は出るつもりだ。その前に父さんと母さんには親孝行がしたいと思っているからそのうち相談に乗ってくれ。―――それじゃあ、またくれぐれも身体には気を付けて。



リィン・シュバルツァー



「あ………………………………」

手紙の最後の部分を読んだリィンは呆けた後複雑そうな表情で黙り込んだ。

「”そうでなくても家を出る”ってどういうことなんですか……?父様と母様に親孝行って……どうして改まって言うんですか?」

「……………………………」

「まさかとは思いますけど……家を継ぐつもりがないとか、そんなわけありませんよね……?」

「―――そのまさかだ。俺はシュバルツァー家を、男爵位を継ぐつもりはない。」

エリスの問いかけに答えに一瞬詰まったリィンは決意の表情で答えた。



「!!」

「当然のことだろう?そもそも俺は養子で、血の繋がりなんてない。リフィア殿下の専属侍女長に就任したエリゼは無理だろうから、お前が将来、婿を取って男爵家を継ぐ
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