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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
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七耀歴1204年3月8日―――――



エレボニア帝国北部、ノルティア州上空―――



〜飛行客船・ルシタニア号・カジノ〜



豪華客船、”ルシタニア号”。1年前に”とある事件”が起こった現場となった豪華客船だったが、今ではその事件があった事も忘れ去られているかのように多くの乗客達で賑わっており、乗客達の中には2年前に起こった”リベールの異変”にてとある人物に雇われ、リベールに訪れて陰ながらある人物を護衛していた”西風の旅団”の猟兵達――――”罠使い(トラップマスター)”ゼノと”破壊獣(ベヒモス)”レオニダスが混じっており、ゼノはレオニダスが見守っている中ポーカーをしていた。

「フルハウス。私の方の勝ちでございます。」

「嘘やろ!?フラッシュが来たときに勝ったと思ったのに、そりゃないで……」

ディーラーに敗北したゼノは声をあげた後疲れた表情で肩を落とした。

「……ディーラーが一枚しかドローしなかった事に警戒していないお前が悪い。」

「うっさいわ。」

レオニダスの指摘にゼノは疲れた表情で答えた。

「ゲームを続けられますか?」

「いや……今日はツキが回っていないようやし、もう止めとくわ。」

「かしこまりました。」

そしてポーカーを止めたゼノはレオニダスと共にテーブルから離れた。



「しっかし、話には聞いていたけどまさか船にカジノまであるとはな。相変わらずラインフォルトは景気いいな〜。」

「世界最高級の豪華客船という触れ込みは伊達ではない、という証拠だな。」

ゼノとレオニダスはそれぞれ周囲を見回した後窓の外に見える景色を見つめて呟いた。

「そういえば、処女航海の時に事件があったっていう話やな?」

「ああ。―――ヘルマン・コンラート。この船の元オーナーでもあり、ラインフォルトの取締役も兼任していた資産家。古代遺物(アーティファクト)を取引に利用していたことが”騎士団”に嗅ぎ付けられ、古代遺物(アーティファクト)の回収と奴の拘束の為に連中が派手に暴れたらしい。何でも話によると単独で”北の猟兵”達相手に圧倒したという話だが……」

「ほ〜……連中は西風(おれたち)ほどやないけど、猟兵団としてのレベルは中の上やからな。単独でそいつらを相手に圧倒するなんて、相当の使い手やな。」

レオニダスの話を聞いたゼノは興味ありげな表情で呟いた。



「ああ。――――それよりも”気づいているか”?」

ゼノの言葉に頷いたレオニダスは表情を引き締めてゼノに問いかけた。

「……黒服の連中。連中が纏っている雰囲気からすると”同業者”やな。」

レオニダスの問いかけに頷いたゼノは壁際で乗客達の動きを見張っている黒服達に視線を向け
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