第60話
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〜ルーアン発着場〜
ダルモアの身柄が拘束された後に、エステル達はルーアン発着場に向かいユリアからその後の話を聞いた。
「先程、目を覚ました市長を問い詰めたのだが……。どうやら記憶が曖昧になっているようだな。放火や強盗の犯行についてもぼんやりとしか覚えてないらしい。」
「そ、そうなんだ……。なんか空賊の首領みたい……」
「あの黒装束たちといい何か関係があるかもしれないね。」
ユリアの説明にエステルとヨシュアは顔を見合わせ、驚いた。
「まあ、記憶が曖昧と言っても起こした罪は明白だからな……。秘書共々、厳重な取り調べが待っているのは言うまでもない。何か判明したら遊撃士協会にもお知らせしよう。」
「助かります。」
ユリアの言葉にヨシュアはお礼を言った。
「そうだ……君達には謝らないといけないことがあったな……」
「へ?」
思い出すように呟いたユリアの言葉にエステルは目を丸くした。
「……ジェニス王立学園祭の時、部下達が生徒達を含め無礼を働いてしまった事だ。」
「ああ、あの時の……」
「……部下達に代わって謝らせてもらう。……申し訳なかった。」
「ちょ、ちょっと!」
「頭をあげて下さい、中尉。」
頭を下げて謝罪するユリアを見てエステルは焦り、ヨシュアは諭した。
「あの時の親衛隊員達の方達は望んでやった事ではないと僕達も理解はしていますから。」
「そうよ!あれはあの酔っぱらった公爵さんが悪いんだから、ユリアさんが謝る事なんてないわよ!」
「しかし君達を含め、生徒達が苦労して成功した劇を滅茶苦茶にしてしまったのは事実だ。また、安易にデュナン公爵の命令に従った部下達にも責任はある。……今後二度とここのような事がないよう、みなに言い含めるから今回の件は目をつぶってほしい。」
「う、うん。」
ユリアの言葉にエステルは戸惑いながら頷いた。
「僕達はいいのですが、メンフィルに対してどう言い訳をするのですか?……デュナン公爵が親衛隊員達に命じた時、メンフィル大使が現れた事はご存じですか?」
「その件か。最初リウイ皇帝陛下に襲いかかった事を聞いてリベールの滅亡が思い浮かんだが話を聞く所、あの後その話を聞いたクローディア姫が直々にリウイ陛下に謝罪に行ったところ、陛下は気にしていないとおっしゃっていたそうで、今回の件が原因で同盟の破棄や戦争の勃発にはしないと断言なさったそうだ。だから、その件は安心してくれてかまわない。」
「よ、よかった〜………それにしてもそのクローディア姫って人、凄い行動力をしているよね!あんな凄い雰囲気を出しているメンフィルの王様に一人で会いに行ったんだから。」
「
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