第59話
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「ぐるっ!」
(フン!)
助走した事によってさらに勢いをました魔獣の突進攻撃にサエラブは炎を纏った身体で飛び掛かって応戦した。
「ギャン!?ガァァァァァッ!?」
サエラブの炎を纏った突進クラフト――”炎狐強襲”の威力に負けた魔獣は壁まで吹っ飛ばされた後、体が燃えて悲鳴をあげた。
(終わりだっ!)
「ガッ………ガァァァァァッ………!」
サエラブに喉元を噛まれた魔獣はエステル達が倒した魔獣のように断末魔をあげながら消滅した。
(フン。………どうやら、終わりのようだな………)
魔獣の消滅を確認したサエラブはダルモアに武器を突きつけたエステル達を見た。
「ば、馬鹿な……。私の可愛い番犬たちが……。貴様ら、よくもやってくれたな!」
自分の飼っていた魔獣達がやられた事にダルモアは怒鳴った。
「はあはあ……。それはこっちの台詞だっての!」
「遊撃士協会規約に基づきあなたを現行犯で逮捕します。投降した方が身のためですよ。」
「ふふふふふ……。こうなっては仕方ない……奥の手を使わせてもらうぞ!」
エステル達に追い詰められたダルモアは懐から杖を出した。
「え!?」
「杖……?」
何かあると思ったエステル達は慌ててダルモアを取り押さえようとしたが
「時よ、凍えよ!」
ダルモアが杖を掲げて叫ぶと、杖の宝石部分が妖しく光り、エステル達の動きを止めた。
「か、身体が動かない……!」
(ぐっ……!体が……!)
「こ、これは……導力魔法なのか?」
「ち、違います……。これは恐らく『古代遺物』の力!」
「なんだあ、そりゃあ!?」
身動きが出来なくなったエステルやサエラブは驚いた後なんとか体を動かそうとしたが動かなかった。杖の光の正体をにヨシュアは信じられない顔で推測して言ったが、クローゼが確信を持った表情で答え、それを聞いたナイアルは驚いた。
「ほう、クローゼ君は博識だな。これぞ、わがダルモア家に伝わる家宝、アーティファクト『封じの宝杖』……。一定範囲内にいる者の動きを完全に停止する力があるのだよ。」
クローゼの説明にダルモアは凶悪な表情で感心した後、杖の正体を言った。
「な、なんてデタラメな力……」
「こんな強力なアーティファクトが教会に回収されずに残っていたのか……」
杖の力にエステルは驚き、ヨシュアはダルモアの予想外の切り札に無念を感じた。
「フフ、さすがは古代文明の叡智の結晶……。戦術オーブメントごときとは比較にならぬ力を備えている。もっとも、1つの機能しか持っていないのが難点だがね。」
杖を自慢したダルモ
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