第57話
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……ジーク!」
「ピューイ!」
クロ―ゼに呼ばれたジークは空中より飛んできて、クロ―ゼの肩に止まった。
「これをユリアさんに届けてくれるかしら?」
「ピュイ。」
クロ―ゼは先ほど書き連ねたページを破り、ジークの足に結び付けた。
「お願いね、ジーク。」
「ピューイ!」
クロ―ゼの言葉に頷いたジークはまた、空へと飛び立ちどこかへ去った。そしてジークを見送ったクロ―ゼは急いでルーアンのギルドに向かった。
〜遊撃士協会・ルーアン支部〜
「……話はわかった。まさか、ダルモア市長が一連の事件の黒幕だったとは。うーん、こいつは大事件だぞ……」
エステル達から報告を聞いたジャンは首をひねって、唸った。
「それで、ジャンさん。市長を捕まえる事はできるの?」
「うーん……。残念だが逮捕は難しそうだな。現行犯だったら、市長といえど問答無用で逮捕できるんだけどね。」
「やはりそうですか……」
「そ、そんな……。だったらこのまま悪徳市長をのさばらせてもいいてわけ!?」
無念そうな表情で答えたジャンの言葉にヨシュアは暗い顔で納得し、エステルは納得できず怒った。
「まあ、そう慌てなさんな。遊撃士協会が駄目でも……王国軍なら市長を逮捕できる。」
「あ……」
「エステル君、ヨシュア君。これから市長邸に向かって市長に事情聴取を行ってくれ。多少、怒らせてもいいからできるだけ時間を稼いで欲しい。」
「なるほど、その間に王国軍に連絡するんですね?」
ジャンの指示にヨシュアは確信を持った表情で尋ねた。
「うーん、軍に頼るのはシャクだけど仕方ないか……。そう言えばリフィア達は?」
軍に頼る事に弱冠抵抗があったエステルは気持ちを割り切った後、リフィア達がこの場にいない事に気付き、尋ねた。
「彼女達なら、今ちょうどロレントに戻る飛行船に乗るメンフィル大使達を見送るために空港に行っているよ。」
「そっか。ティアさんや聖女様に挨拶できないのは残念だけど仕方ないか……よし、クローゼが追いついたらさっそく市長邸に向かって……」
エステルがそう言ったその時、ドアが開いてそこには息を切らせたクロ―ゼがいた。
「はあはあ……。お、お待たせしました……」
「学園に寄った割にはずいぶんと早かったね?」
学園との距離を考え、不思議に思ったヨシュアはクロ―ゼに尋ねた。
「え、えっと……足には自信がありますから。それで……どういう事になりました?」
「ちょうど市長のところに乗り込むって話をしてたのよ。王国軍の連中が来るまで事情聴取して時間稼ぎをするの。」
「あ……そう
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