暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
竜の羽衣
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・・・見事な機動力だ。」
「カケルっ!何呆然としてんのよ!?」




 その後、ギーシュによる事情説明のお蔭で、お互いに勘違い――というかキュルケの策略に嵌った――二人はどうにかその場は収まった。



「だからって、キュルケと一緒にいるなんて・・・。」
「いやホントにすまない・・・。」

 架もいくらキュルケに騙されていたとはいえ、使い魔としてあるまじき行為に頭を下げるしかなかった。


「あ、そうだわ!」
「どうしたルイズ?」

 落ち着いたと思った矢先声をあげるルイズ。怒りに任せてここまで来たが、先刻のことを思い出した。

「カケル、村に馬車を待たせてあるの、一緒に城下まで来て。」
「城下?学院に戻るんじゃないのか?」
「説明はあと!とにかく急ぐわよ!」
「お、おい!僕はどうすれば・・・」
「すまないギーシュ!そのゼロ戦は学院まで運んでおいてくれないか!?」

ルイズに連れられて架も走り去って行く。
 墓石には『この文字が読める者にこれを託す』ともあった。従って、このゼロ戦は架の物となったわけなのだが・・・

「・・・運ぶって、どうやってだい?」
「あへ〜〜・・・」



 後に残された、未だ放心状態のシエスタの横でギーシュは呆然と立ち尽くすのであった。












「これはすごい!見たこともない代物だ!!」

 コルベールはかつてないほど興奮していた。突然王宮の竜騎士たちが現れたかと思うと、大きな乗り物らしき器具を運んできたのだ。
 一緒に来ているギーシュが「まさかグラモンの名をこんなところで使うことになるとは・・・」とぼやいていたが、そんなことは彼の耳に入らない。
 早く!この得体のしれないもの調べてみたい!という知的探求心がコルベールの中で暴れまわっていた。
 と、一緒に来ていたはずなのに後方にいる助手の方へ振り向く。

「何しているんだねヴァロナ君!!早く調査用の器具と資料を持ってき・・・て?」





  ドサドサッ  バサッ





 大量の物や紙束を落とす音に、その場にいた者全てが注目した。

 そこには、コルベールですら見たことないほどまでに怯えた表情をしている助手の男がいた。手足はガクガク震え、呼吸もかなり荒く、目も焦点が上手く定まっていない。明らかに異常だった。
 心配して彼の近くに寄った生徒は、その震える口からこう呟くのを聞き取った。








 






なんで・・・・これが・・・ここに――――





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