暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
竜の羽衣
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や柱も相当古くなっているようだが、それでも崩れそうな気配は全く感じられなかった。
その答えをギーシュがだした。
「『固定化』の魔法がかけられているようだね。それもかなり強力だ。」
「今から70年ほど前、おじいさんはこの竜の羽衣と共に突如としてこの村に墜落してきたそうです。酷い怪我をしていたそうですが、今の私のおばあさんにあたる人の看護で何とか一命をとりとめました。元気になったおじいさんはこの村に住むことに決め、おばあさんと結婚した後竜の羽衣をメイジに高額を支払ってここに固定化魔法をかけてもらったそうです。」
スラスラと説明をするシエスタ。特殊な先祖を持つため、幼い頃からいろいろ教えられたのだろう。
「・・・でもおじいさん、よく口にしていたことがあったそうです。」
「口にしていたこと?」
「『元の世界に帰りたい。やらなきゃいけないことがある。』って。」
「!!?」
元の世界
(
・・・・
)
・・・だと!?
シエスタの言葉に架は体中に電撃が走るような感覚に襲われた。
もし、彼女の言っていることが本当ならば、それはつまりシエスタの祖父はこの世界の人間ではないということになる。
「・・・シエスタ、そのおじいさんたちはどうなった?」
架が尋ねると、シエスタは少し悲しそうに俯いた。
「それが10年ほど経ったある日、おじいさん何も言わずにいなくなったらしいんです。おばあさんとその息子、私のお父さんですね、二人を残して。それから二度と帰ってこなくて、おばあさんはそれからしばらくして亡くなったそうです。」
「直接話を聞くことは出来ないということか・・・」
或いはここと向こうの世界の行き来についての話が聞けたかもしれない、と思っていた架は少しだけ落胆の色を見せた。
「あのカケルさん、どうかしましたか?」
シエスタがこちらを覗き込みながら話しかけてくる。そういえば、シエスタには自分は遠い国から来たということしか伝えていない。
「シエスタ、実はな―――」
だが、先祖が同郷となれば話が違う。架がどう話そうか切り出そうとした時だった。
「ちょっとシエスタだったかしら。この石碑はなあに?」
「あ、はい!それはですね・・・」
キュルケによる招集に、会話が打ち切られてしまった。まったくと思いながら架もその石碑に近づくと、
「『我、異界の地に眠る 海軍少尉 佐々木武雄』だと・・・!」
「え、ダーリン読めるの!?」
「まさか、この村に昔から住んでる人たちでも読めた人なんていないのに!」
彼女たちが驚くのも無理はなかった。
そして、架が読めたのもまた当然だった。
石碑―――というより墓石に刻まれた文字は、日本語だったのだから。
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