暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
竜の羽衣
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所に向かう為、木が生い茂る森の奥に向かって進んでいる。

「すごい偶然もあるものだな〜。」
「はい、私もビックリです!」

 おしゃべりしながら並んで歩く架とシエスタ。そのどう見ても仲良さげなムードに当然この人は面白くない。

「ぐぬぬぬ、せっかくのダーリンとのデート旅行だってのにあんな学院のメイドといちゃいちゃするなんて〜〜!!」

 それはつまりギーシュやタバサの存在を無視しているということなのだろうか・・・。
 と、カリカリしていたキュルケだったが、ふと自分の後ろで何やらこそこそしている存在に気が付いた。

「ちょっと何やってるのよギーシュ。私の背後に隠れるの止めてちょうだい。」
「や、す、すまないね。しかし彼女とは、その、いろいろあってだね・・・」

 ギーシュの言う彼女とは勿論シエスタのことであり、いろいろというのは架とギーシュが決闘することになったあのいざこざのことだろう。
 あの時、彼は彼女に向かっていろいろ失礼な言葉をぶつけてしまった。そのことを悔いているのだろう。






・・・・・まあ二人とも、ある男の画策に利用されただけなのだが。

 とある暗殺者(アサシン)「へっくしょい!」







「何アンタ、まだ引きずってたの?さっさと謝っちゃえばいいじゃない。」
「いやしかし貴族が平民に頭を下げるなど・・・。しかしレディを傷つけたのも事実だし、むむむどうするべきか・・・」

 はあ、キュルケは嘆息する。
 要するに、今ギーシュの中では貴族としての自分と紳士としての自分がせめぎ合っている状態なのだ。
 馬鹿馬鹿しい、キュルケは思う。キュルケも自分が貴族だという自覚とある程度の誇りこそ持っているが、自分が悪いと思ったら素直に謝れるタイプである。変に高いプライドを持ったりする奴に限ってこうなりがちなのだ。例えばどこぞのピンク色頭のちっちゃい同級生とか。

「まあコイツに関してはヘタレなだけかもしれないけどねぇ「ん?誰がヘタレだって?」―――うきゃあ!?」

 後ろを見やりながらぼやいていたら、前で立ち止まっていた架にぶつかりそうになった。普段の彼女らしくない可愛げな声が出てしまったが、パッと前を見たらいきなり意中の男が目の前にいたりしたら誰だって驚くだろうから仕方がない。

「な、何よダーリン!急に立ち止まらないで、って―――」

 文句を言おうとしたキュルケだったが、ふとその勢いが一気に失速した。
 架とシエスタの先には森が開けており、そこには小屋、というにはあまりに大きな建物が鎮座していたのである。

「あの中に『竜の羽衣』があるそうです。」

 建物に近づきながらシエスタが解説する。建物は植物のツルや根が所々覆っており、木でできた壁
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